『慢性副鼻腔炎』
2020年06月26日
大野耳鼻咽喉科医院
大野 雅昭 院長
■医師データ
大野雅昭。東海大学医学部卒業後、新潟大学耳鼻咽喉科学教室に入局。新潟大学医歯学総合病院特任助教、立川綜合病院耳鼻咽喉科主任医長などを経て現職。日本耳鼻咽喉科学会認定耳鼻咽喉科専門医。同耳鼻咽喉科専門研修指導医。同補聴器相談医。身体障害者福祉法第15条指定医。難病指定医。
どろっとした粘性の鼻水や鼻づまり、においがしないなど、不快な症状が続く慢性副鼻腔炎。四六時中症状に悩まされる
こともあるので、しっかり治さないとQOLが著しく低下することも。今回はこの慢性副鼻腔炎を取り上げる。解説は大野耳鼻咽喉科医院の大野雅昭院長にお願いした。
主な症状は、黄色っぽい粘性の鼻水や鼻づまり、嗅覚障害などです。いずれも不快な症状ですが、粘性の鼻水が鼻腔の奥からのどに下がっていき、どろっとした粘液がのどの内側にべったり張り付く後鼻漏を起こすと、さらに不快になります。
年齢や性別に関係なく発症し、長引く風邪かなと思っていたら、実は慢性副鼻腔炎だったということもよくあります。
診断はレントゲンやCTによる画像診断が主ですが、鼻の通りやすさを客観的に評価できる鼻腔通気度検査を行うこともあります。
慢性副鼻腔炎は主に、抗生剤による治療が有用です。粘膜の状態をよくするために、3か月程度の長期投与が必要になります。…続きは本誌に