長岡の「あおぞら介護タクシー」私の両親を助けてくれた恩人にお礼が言いたくて
2020年03月27日
父親が車を運転中に具合が悪くなってしまい…
この連載コーナーも早いもので第124回を迎えました。改めて過去10年間を振り返ってみますと、私の個人的な身の上話をさせていた
だいたことは一度もなかったように思います。
自らの損得など顧みずに優しく手を差し伸べてくれた人がいることを、読者のみなさんにもお伝えしたいと思った次第です。
今から4 年近く前、父親の携帯から私の携帯に連絡がありました。「通りがかりの者ですが、お父様が車を運転中に具合が悪くなって動けなくなっています。救急車を呼びましょうか?」(親切な男性)
父親の車両を見つけて気に掛けてくれた親切な男性が、動けなくなった父親に代わって私に連絡をくださったのです。
私の父は当時78歳で、喉頭がんの放射線治療の甲斐もなく、がんが再発しておりました。
当時、父はご多分に漏れず高齢者であっても自動車の運転を続けておりました。
親切なその方のお話によりますと、現場は旧分水町エリアの国道で、道路の端に寄せて不自然な形で立ち往生している車を見つけたことから、運転席にいる父親に声を掛けてくれたのだそうです。私の母親も同乗しているとのことですが、母は自動車の運転ができません。
私は親切なこの男性に申し上げました。
「ご親切にお声を掛けてくださいまして、ありがとうございます。母親もそばにいることですし、とりあえず救急車の手配は不要かと思います。現在、私は仕事で新潟市におります。極力すぐに折り合いをつけて、そちらに向かうようにいたします。おかげさまで場所も把握できましたので、あとは私のほうで何とかいたします。大変お世話になりました」 (私)
状況的に父は悶え苦しんでいるわけでもなく、憔悴した状態で体を動かせないでいる模様とのことでした。私は医療に関してはまったくの素人ですが、急いで救急車を呼ばなければならないほど切迫した状態ではないものと判断。どうであれ、これ以上親切な通りがかりの方にご負担をお掛けすることに気が引けることが先立ってしまったのです。
そして私は電話を切ると、大急ぎで仕事の段取りを完了させ、同行していた調査員をワンボックスの助手席に乗せたまま分水に急行したのでした。
それから約1時間後に現地に到着すると、電話をくださった男性がまだ父親を見守りながら待機していてくださったのです!
私は男性にご挨拶をしました。「ありがとうございました。何と申し上げたらよろしいのか…、長時間にわたり私が到着するまで面倒を見ていただき感謝の念に堪えません」 (私)
「息子さんですね。何かお手伝いすることはございますか?」 (男性)
この男性こそが、先ほど私の携帯に連絡をくださった方でありました。
現場では、お話のとおり父のオンボロカローラが真っ暗な道路の端に停車していました。ワンボックスから降りて車の中を覗くと、運転席に父がいますが、やはり自力では動けないようです。
父と母の恩人を探すべく息子の私が調査開始
幸い父は私の呼びかけに対して何とか応答していました。過去にも息切れや立ち眩みをしたことがあったので、高齢者によくある症状ではないかと思われました。いずれにしても素人目には命に別状はなさそうです。
再び男性が「これからどうされますか?」と尋ねてくださいましたので「私と部下がそれぞれカローラとワンボックスを運転します。父については地元のかかりつけの病院に診てもらおうと思います」とお答えしました。…続きは本誌に