元知事時代の誤った計画⁉ 県央基幹病院はまさに火薬庫!
2020年01月27日
昨年12月28日、有識者らで構成する「県地域医療構想調整会議」は県央基幹病院の病床数を、当初の450床から「400床程度を上限」とし、50床以上の削減を求める提言をまとめた。この県央基幹病院だが、聞けば聞くほど呆れた計画だ。「過ちてこれを改めざる。これを過ちという」とは論語の教え。「削減」と言わず、いっそご破算にしていただきたい。
元知事時代の誤った計画
以下は県央基幹病院ではなく、5年前に開院した魚沼基幹病院の話だ。
この病院は、いわゆる公設民営で、設置者は新潟県、一般財団法人「 新潟県地域医療推進機構」が運営している。県立新発田病院や、上越市にある県立中央病院と同様、救命救急センターを備えたこの病院は、まさに魚沼エリア広域の基幹病院であり、高度で専門性の高い医療を提供することに重点を置く病院だ。
その魚沼基幹病院はこの冬、患者が殺到して大盛況だという。地元である南魚沼市の関係者はこう言う。
「混んでますよ。駐車場も満杯だ。ちょっと風邪をひいて熱が出たみたいな人がいっぱい来てますね。今年は雪がないから、年配の人も来やすいしね」
高度で専門性の高い医療を提供するはずの病院が、かかりつけ医みたいな仕事に忙殺されているらしい。
「こんなことだと高度な医療サービスを求める患者が数時間待たされることになりかねません。こうなると救急車を呼んで急患として早く診てもらおうとするか、長岡の立川さんや日赤、厚生連の中央病院に行ってしまいますね」 (同)
繁盛はめでたいが、魚沼基幹病院では、何やら皮肉な事態になっているらしい。
もう一つの基幹病院、県央基幹病院はこれから建設される。その事業費は239億円だという。建設するのは財政難で四苦八苦している県だ。昨年12月28日、有識者らで構成する「県地域医療構想調整会議」は県央基幹病院の病床数を、当初の450床から「400床程度を上限」とし、50床以上の削減を求める提言をまとめた。
その反響は意外と大きい。
「県は行財政改革の有識者会議を立ち上げるなどして、財政難からどう脱却するか模索している。こうした会議を新しく立ち上げた主な理由は、今年度に本体工事の業者選定を見込んでいた県央基幹病院を何とかすることではなかったか。白紙に戻してしまうくらいの気構えが県庁の幹部にはあったはずだ。それが〝50床程度削れ〟みたいな話では、愚の骨頂だ」 (新潟市の自治体OB)
医療関係者はこう言う。
「県央医療圏で問題なのは、救急搬送をどうするかです。この医療圏の一部は、新潟に運ぶのと、計画されている県央基幹病院にまで運ぶのとで、さして時間が変わらないところもある。
「県央医療圏で問題なのは、救急搬送をどうするかです。この医療圏の一部は、新潟に運ぶのと、計画されている県央基幹病院にまで運ぶのとで、さして時間が変わらないところもある。
だったらこの医療圏を見直し、新潟なら新潟にすぐ運ぶことができるようにすればいい。239億円のでっかい病院をつくるんだったら、救急搬送する先の病院にスムーズに行けるよう道路整備をした方がいい」
この県央基幹病院について、桜井甚一県議(自民、燕市西蒲原郡)は、議会でこう断言している。
「あえて申し上げます。あの計画(県央基幹病院)は元知事時代に策定された誤ったものなのです」
以下、どれほど誤ったものか、桜井県議の発言をたどることにしたい。
水攻めされた城か?
昨年12月の県議会でのこと。桜井甚一県議は連合委員会で質問に立った。この委員会では質問者と知事や県の幹部らが一問一答方式でやり取りする。連合委員会で、桜井県議の質問は県央基幹病院に関するこれまでの総括のような内容だった。…続きは本誌に