レストランバス運営団体が自己破産 新潟市との不可思議な関係
2019年12月27日
前市長時代、「日本初の運行」と鳴り物入りで始まった新潟市のレストランバス。その事業を運営していた一般社団法人「ピースキッチン新潟」だが、結局は自己破産した。同市と密接な関係がうかがえるこの法人だが、設立の始めから終わりまで解せないことだらけだ。
〈市長が興味を示されて…〉
レストランバスは1階にキッチンが配備された2階建てのバス。本格的な食事を楽しみながら、観光スポットを巡るツアーが人気だった。その事業を新潟で企画、運営していたのが一般社団法人ピースキッチン新潟(新潟市中央区)。2016(平成28)年に設立された法人だが、2019(令和元)年8月に自己破産した。負債総額は約7千7百万円だったという。
レストランバスの事業について、飲食店の関係者は懐疑的だった。
「ピースキッチン新潟の詳細については承知しておりません。一般的に飲食業はFL(食材原価:Food+人件費:Labor)の値を売上高に対し50%を目指さなければ利益が出ないと言われています。しかし多くの店舗は70%程度で営業しています。そこから家賃や光熱費を払っていきます。
レストランバスの場合、残りの経費でバスを運行するのは収益的に無理があると考えていました。バスの償却費用に各種保険、ガソリン代、運転手の人件費、通常のレストラン以上のコストがかかることは目に見えています。
飲食のほか観光なども含めて、どの程度の価格設定をしていたのか分かりませんが、一過性の話題づくりにはなったのかも知れないものの、初めから継続困難な企画だったと思います」
そもそも利益が出ない事業を話題づくりのために展開するのには、そこに補助金など、公の資金を投入して実施する必要がある。一般社団法人ピースキッチン新潟の代表者は、新潟市と関係が深い新潟観光コンベンション協会の事務局次長を務めた人物だった。
ネット上にこの人物がインタビューに答えた記事が掲載されている。その記事で、ピースキッチン新潟の代表者だった人物は概略以下のように語っている。〈『ピースキッチン』という概念はプロジェクトデザイナー飛田一馬さん(本誌で仮名とした。
元大手広告代理店社員で、ピースキッチン新潟の役員だった)が提唱したもので(中略)、後に新潟市長が興味を示されて『新潟版のピースキッチンをやりましょう』とお声がけくださったんです〉
ここで登場するのは、現市長ではなく、篠田昭前新潟市長ということになる。…続きは本誌に