衆院選挙区の混沌 台風の目は1区と鷲尾⁉
2019年12月27日
解散、総選挙の時期が見えない。さらに見えないのが衆院1 区の自民党公認候補だ。現職は石﨑徹ながら、例の事件の行方もあって、すんなりと公認になるとは思えない。もう一つ見えないのが次回、2区の鷲尾栄一郎がどの選挙区から出るか。さらに自民党の勝目も、今ひとつ見えてこない。
1区、石﨑は滝に打たれて修行
衆院選の選挙区で、新潟市秋葉区は4区に属している。同区の元自治体職員が奇妙なことを言った。
「金津の白玉の滝で国会議員の石﨑を見たという者がいるんです」
金津とは紅葉で名高い「中野邸記念館」があるあたり。この記念館は石油で財を成した中野家の大邸宅と、「もみじ園」と呼ばれる大庭園で、紅葉の季節には周辺道路が渋滞することしばしばだ。
白玉の滝だが、丘陵地帯に位置する金津でも、さらに山側に入ったところにある。白玉の滝には上流部にある落差約15メートルの雄滝と、下流部にある落差約7メートルの雌滝がある。景勝の地であり、かつては山伏が修行する場だったという。白玉の滝は今も滝に打たれて修行する滝行の場として利用されている。特に真冬の「滝打たれ」は、しばしば新聞やテレビで紹介される。
自民の石﨑徹議員は2012年の初当選で、現在3期目。前回の選挙では新潟1区に出馬したが、立憲民主党の西村智奈美議員に敗れ、比例で復活当選を果たした。かつては女性問題で週刊誌の記事になるなど、何かとお騒がせな同議員だが、2019年7月に行われた参院選のさなか、今度は秘書に対する暴行が週刊誌の記事になってしまった。
暴行を受けたという30代の男性秘書は新潟市内の警察署に被害届を提出していて、新潟県警は2019年9月25日、傷害と暴行の疑いで石崎議員を書類送検した。同年12月中旬の段階で、新潟地検による起訴か不起訴かの判断はまだ下っていない。
さて白玉の滝での目撃情報だが、確かに石﨑議員なのだろうか?
「秋葉区は4区でも、石﨑の顔くらいは誰でも知っている。その石﨑が滝行をする一行の中にいたという話でした」(前出の元自治体職員)
何月何日と明確ではないが、この冬のことだという。単刀直入に石﨑議員に確かめてみると、「自らの精神修養のため、(滝行を)行ったことは事実です」という。やはり石﨑議員は冬の白玉の滝に打たれ、心身の汚れと煩悩を打ち払っていたようだ。実際に経験者に聞いてみると、冬の滝行はあたかも水が肌を刺すような感覚だという。石﨑議員に尋ねると、「おっしゃるとおりです」という。
残念ながら滝行に励む石﨑議員の写真はない。あくまでも滝行は精神修養のためで、政治的なパフォーマンスではないということだ。
石﨑はシロかクロか
衆議院の解散がいつになるかは分からない。一時期ささやかれていた年明けの解散はなくなった。
「桜を見る会の問題で安倍総理もかなり疲労しているようです。内閣支持率も下がりましたし、いま選挙をすれば無党派は野党に流れますから、20議席くらいは減らしそうです。衆議院で与党が3分の2を割り込むようなことになってしまえば、総理の求心力は低下し、東京五輪まで持たなくなってしまいます」 (在京の国会議員秘書)
混沌としているのが何と言っても1区だ。重くのしかかっているのが石﨑議員に対する検察の結論。起訴なのか、不起訴なのか。起訴となれば、刑事事件だけに有罪となる確率は非常に高い。こうなると次回の選挙で自民党が石﨑議員を公認する可能性は極めて低くなる。この事件に関し、被害届を出した側に近い筋はこう言っていた。
「12月中旬に被害届を出した秘書に対する検察の聴取は終了し、検察は石﨑議員からの聴取をスタートさせる。年が明け、通常国会の開会前に石﨑は起訴される見込みだ」
別の関係筋はこう言う。
「石﨑事務所の元秘書の話では、年内に石﨑議員の起訴、不起訴が決まるということでした」
ある自民党の関係者は、「石﨑の起訴はない」と言う。…続きは本誌に