『眼科疾患の治療・手術のポイント』
2019年12月27日
■医師データ
長谷川茂。新潟大学医学部卒。同大学医学部講師、助教授、准教授を歴任。大学では数多くの難症例の手術を手掛け、県内外の地域中核病院の眼科手術責任者も務める。新潟の名医に2回連続で選出される。医学博士。
人は情報のほとんどを眼から得ている。だからこそ、自分の眼は大事にしたいもの。今回は眼科疾患の治療と手術のポイントを取り上げる。解説は新潟眼科クリニックの長谷川茂理事長にお願いした。
「眼科はさまざまな疾患ごとに治療が異なります。まず症状を聞き検査を行い、診断をした上で最適な治療を選択します。
眼が痛い、違和感
まずは部位を確定します。結膜では結膜結石(針で除去)、麦粒腫など眼瞼のはれ(点眼などで治癒しない場合は切開)、結膜弛緩(白眼を覆う膜のしわ、点眼ないし手術)、角膜では眼の乾燥(点眼)、さかさまつげ(除去)。
疲れによる眼精疲労では眼の安静や適切な眼鏡の装用(特に50歳前後より始まる老眼)。
飛蚊症
眼底検査を行う。ほとんどは加齢に伴う硝子体混濁で、周辺に裂孔があれば(特に強い近視に多い)網膜光凝固。硝子体の出血では眼底が見えなくなるため、エコー検査で網膜剥離がないかチェックし、内服などで経過を見る、必要なら手術。
視力障害(かすむ、まぶしい)
特に60歳以上では白内障が代表的であるが、糖尿病や薬剤(ステロイドなど)では若年でも起こりうる。白内障は調節力低下も伴うことが多い。特に白内障中心部が混濁・硬化するタイプでは近視が進行する。
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