南魚沼市・新ごみ処理施設で「市長派VS反対派」 30分1本勝負
2019年11月27日
南魚沼市など2市1町で進める新しいごみ処理施設は同市にある国際大学の所有地で計画されている。11月15日、計画地の地元関係者や同大学の学生らが、新ごみ処理施設建設反対を要望するため同市の林茂男市長と面
談。「一つの集落でも反対すれば計画は進めない」、「強行する気はない」としている同市長だが、この日は虫の居所が悪かったのか、終始仏頂面のままだった。
計画地は国際大学所有地
いきなり横道に入って恐縮だが、南魚沼市、魚沼市、湯沢町の2市1町で進める新しいごみ処理施設の計画について、素朴な、かつ最大の疑問点が以下だ。「国際大学の隣接地で、同大が所有する土地になぜごみ処理施設をつくらねばならないのか」ということ。
国際大学は南魚沼市国際町にある私立大学で、日本初の大学院大学だ。経団連の会長などを務めた土光敏夫ら政財界の有力者が発起人となり、開学したのは1982(昭和57)年。学内の公用語を英語にしたのも日本初だった。
約350人の学生のうち、日本国外からの留学生が大半を占め、日本人学生は約1割だという。主にアジア・アフリカなど世界各国から派遣された政府職員、日本での就職を目指す留学生、日本企業の派遣学生(国内留学生)など、学生の経歴も多彩だ。
アジア、アフリカなどからのエリートらが学ぶ大学から600mほど離れた約5・5ヘクタールが新ごみ処理施設の計画地だ。国際大学が所有する自然公園内にあって、一部はぶどう畑となっているが、ほとんどが手付かずの未利用地だという。
この地が新ごみ処理施設建設予定地とし正式に表明されたのは昨年1月31日。2市1町からの委員、12人で構成された第9回の「新ごみ処理施設検討委員会」でのことだった。この場で、前年(平成29年)7月頃から南魚沼市側が国際大学に打診を始めたことなどが事務局から報告された。
「昨年(平成30年)1月26日に3人の首長らが国際大学の理事長と東京で面談し、土地の売却単価などは決まっていないが、(新ごみ処理施設の建設について)大筋で合意を得た」(当日の会議録を抜粋)という。
その合意に基づき、「新ごみ処理施設検討委員会」では新しい施設の建設予定地として国際大学の所有地が適当であると提言することを決定した。
そして昨年3月に地元説明会が開催されることになった。だが地元から反対の声が挙がり、昨年6月には地元の区長3人を含む6人が請願者となり、南魚沼市の林茂男市長に「国際大学用地内のゴミ焼却場建設反対についての請願」や、449人分の反対署名も提出されたという。…続きは本誌に