両陛下ご臨席の式典を途中退席した泉田衆議院議員の無礼千万
2019年10月26日
9月16日、天皇、皇后両陛下をお迎えし、新潟市にある朱鷺メッセで「第34回国民文化祭」と「第19回全国障害者芸術・文化祭」の開会式が行われた。両陛下がご臨席の式典で、5区選出の泉田裕彦衆院議員が途中退席した。同衆院議員は「事務局の指示に従って退席したもの」と言っているが、これが大きな波紋を呼んでいる。
あるべからざるハプニング
本県で初の開催となった国内最大の文化の祭典、「第34回国民文化祭・にいがた2019」、「第19回全国障害者芸術・文化祭にいがた大会」。9月15日から11月30日まで、77日間の会期中、県内各地で多彩なイベントや協賛事業が展開されている。
その開会式が行われたのは9月16日、新潟市中央区にある朱鷺メッセが会場だった。この日、天皇、皇后両陛下が開会式臨席などのため、ご即位後初めて来県された。これまで両陛下による恒例の地方訪問は、植樹祭と国体、全国豊かな海づくり大会で、「三大行幸啓」と呼ばれてきた(行幸啓『ぎょうこうけい』とは天皇、皇后両陛下がご一緒に外出されること)。新両陛下はこれらに加え、皇太子夫妻時代に取り組んできた国民文化祭へも出席し、「四大行幸啓」となっている。新潟は新両陛下として初めて国民文化祭に臨席された地となった。
朱鷺メッセでの開会式は14時30分から17時までの予定で行われた。鼓童の太鼓演奏、新潟県合唱連盟による合唱の後に天皇、皇后両陛下がご入場され、式典がスタート。国歌斉唱に続き、主催者挨拶(文科相、厚労相、県知事)、そして天皇陛下のお言葉と続いた。
参加者によれば、陛下のお言葉は非常に心温まるものだったという。その後、歓迎の辞、開会宣言と続き、県内の伝統芸能などが披露されるオープニングフェスティバルに移った。そのフィナーレが終了し、両陛下は退場されたという。会場ではその後もエピローグとして和太鼓、歌、ダンスなどが披露された。
式典で両陛下がご臨席中、あるべからざるハプニングが発生した。開会式に出席していた5区の泉田裕彦衆院議員(元知事、自民)が突然席を立ち、会場を出ていったという。一瞬場内がざわついたという話も一部にある。
この一件だが、直後からあちこちで話題になった。
「泉田さんが国民文化祭の開会式に出席した際、両陛下ご臨席の会場で、途中退席は厳禁という決まりを破って秘書と会場を出て、大ひんしゅくだったと聞いています」(県内の地方議員)
「両陛下がご臨席の場で、泉田さんが途中退席して会場がざわついたとか。自民党の県議や首長たちが泉田は許せないと怒っているそうで、永田町にまで聞こえてきました」(在京の国会議員秘書)
国家に対する反逆の意とも
前出の地方議員、国会議員秘書は二人とも現場に居合わせていない。実際に泉田裕彦衆院議員が退席する現場を目撃した出席者はこう言う。
「泉田さんと秘書が途中で退席したのは事実です。しかも両陛下がご臨席の際でした。信じられませんでした。勝手な人たちだなという印象です」
現場を目撃してはいないが、ある省庁OBはこう言う。
「開会式に出席した人が、泉田さんを、だめですよと引き留めたものの、聞かなかったという話を聞きました」
開会式の出席者によれば、「この日、会場では途中退場できないと、何度もアナウンスがありました」という。両陛下がご臨席の式典で、「途中退場できない」というのは国民の常識で、当然の話だ。国体や全国植樹祭など、両陛下ご臨席の式典では一般の参加者が募集
される。その際の案内には、たいてい〈緊急の場合を除き、原則として、式典会場への途中入退場はできません〉と明記される。
両陛下ご臨席の場を途中で退席することは軽々しい問題ではない。県選出国会議員の秘書を長年務めた人物はこう言う。
「両陛下がご臨席の場を中座するということは、異議を唱えるということで、国家に対する反逆の意を表すことになります」
泉田衆院議員が途中で退席したのは、いかなる理由だったのか?…続きは本誌に