─ 20 歳の愛娘の“浮気調査”を依頼した父親の苦悩 ─
2019年09月27日
19歳の娘の彼氏が33歳の会社員と知って大ショック
前々号、前号と2号連続で「子を持つ親の気持ち」をテーマとする事件ファイルを紹介しました。第3弾となる本号では、ある騒動のため結果、父親が愛する娘の素行調査を探偵に依頼するということになった案件をお届けします。
父親の複雑な心境は如何に…。
* * *
今回の調査依頼者の三善久之さん(仮名・52)は長岡市にお住まいで、職業は会社役員をされています。詳細な家族構成はお聞きしていませんが、20歳の長女がいらっしゃるとのことで、この娘さんのことで過日、当調査事務所へ相談に訪れました。
三善さんがお話しになられます。
「娘の麻優は現在、14歳年上の男と交際しています。娘から“付き合っている彼氏と結婚したい”と打ち明けられたのは1年前のことで、当時娘は19歳だったことから私は大きなショックを受けました。まだ成人式前の娘が33歳の男と一緒になりたいと言い出したのですからね。
しかも相手の男には結婚歴があって、前妻とは死別したのだとか…。しかしまだ会ったこともない、どこの馬の骨かも分からない男の言うことなど信じられません…。妻とは死別したなどと言っていても、実際には単に離婚しただけではないか? 娘は騙されているのではないか? 私の中でどんどん男に対する疑念が膨らんでいきました」 (三善さん)
交際を認めるかどうか以前に、19歳の娘さんが33歳の男性と結婚したがっている現実は父親にとって青天のへきれきであり、大問題でもあります。
実のところ私にも年頃の娘がおり、同じ娘を持つ父親として三善さんのお気持ちがよく分かります。今にも相手の男の胸倉を掴んで「年端のいかない娘に何をするんだ!」と怒りをぶつけたい心境に違いありません。
当然ながら三善さんは二人の交際を到底認めることができなかったそうですが、そうはいっても相手の男性と対峙しなければ問題は一向に解決しません。
三善さんが続けます。
「いずれにしても頃合いを見計らって相手の男と話し合わなければならないと考え、あるとき私は娘を通じて東田孝治君(仮名)を自宅に呼びつけました。娘から事前に聞いていましたが、東田君は中小企業に勤める社員だといいます。
突如として現れた娘の交際相手に対する父親の言動は、所長さんもだいたい想像がつくでしょう。私も随分と厳しい口調で彼に苦言を呈し、あえて答えづらいと思われる質問もしました。
ところが私の予想に反して、東田君はまったく逃げる様子もなく、私のほうをしっかりと見据えて自分の思いを語りました。これを受けて気持ち良くとまでは言いませんが、とりあえず“一次試験合格”ということで私は二人の交際を渋々ながら認めたのです」 (同)
このように三善さんは愛娘の交際相手の東田さんに対して一定の理解を示したようですが、それから半年近くが経った頃、三善さんは東田さんから電話である相談を持ち掛けられたといいます。
三善さんが「実は…」と口ごもりつつ続けます。…続きは本誌に