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2024年12月3日

三条市 新潟地検に告発された前市長から現市長への自宅贈与

2019年08月27日

驚きの事態だった。衆院4区で次の自民党公認候補として確実視されているのが三条市の國定勇人市長だ。東京生まれの元総務官僚で現在4期目。市内にある同市長の自宅だが、夫人名義ながら数年前に「贈与」されたものだった。贈与していたのは高橋一夫前市長。この一件、実は8月19日、新潟地検に告発状が提出されていた。

 

前代未聞の贈与

 

既に本誌でお伝えした件だが、三条市の國定勇人市長は、高橋一夫前市長から自宅の土地、建物を贈与されていた(不動産の名義人は市長夫人)。その概略は以下のよう。

 

三条市東裏館にある國定市長の自宅は木造2階建てで、1、2階を合わせた床面積は52坪ほど。外見はいかにも古めかしく、法務局で確認できる不動産の登記事項で、新築年月日は不詳となっている。

 

土地の面積は65坪弱で、平成27(2015)年11月に元の地番を分割(分筆)し、前所有者から國定市長夫人へ所有権が移された。この土地の前所有者こそが三条市の高橋一夫元市長だった。同前市長から國定市長夫人に土地の権利が移った原因だが、売買ではなく「贈与」(平成27年11月25日付)となっている。贈与とは「無償で相手方にお金やものなどを与える行為」のことだという。

 

建物は未登記だったが、平成28(2016)年4月、國定市長の夫人を名義人とする所有権の保存登記が行われた。この新築年月日が不詳の建物もまた、もともとの所有者は高橋一夫元市長だったと考えられる。それゆえ夫人名義ではあるが、「國定三条市長は高橋前市長から自宅の土地、建物を、タダでもらっていた」、ということになる。

 

平成18(2006)年、高橋一夫前市長は任期途中で辞職。それに伴って実施された市長選で初当選したのが國定勇人市長だった。総務官僚だった同市長は、かつて三条市に出向していた。いったんは同省に戻っていた國定氏を後継に指名し、擁立したのが高橋前市長だったという。同前市長は國定市長の「生みの親」とも言うべき存在だ。

 

高橋前市長は三条市内に本社を置く高儀の元社長(5代目)でもある。同社は建築用工具などの企画・製造、販売を手がけ、年商は300億円超。同市内では老舗かつ大手で、「総合商社のような存在だ」という。

 

その高橋前市長が國定市長に贈与した土地、建物は三条市の市街地にある。仮に建物は無価値としても、土地は坪単価で「15万円から20万円ほど」で、面積は65坪弱だから、単純計算で975万円から1千300万円。およそ1千万円の価値があるとされる。

 

いかに高橋前市長が資産家だとしても、1千万円の価値がある不動産をタダで提供すること、そして無償でもらうことなど尋常な事態ではあるまい。

 

贈与は身内同然の関係から

 

前市長から國定市長への自宅贈与について、受け止め方は様々だった。…続きは本誌に

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