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2024年11月23日

國定勇人三条市長・自民4区支部長選出で不満噴出

2019年08月27日

自民の候補者が不在だった衆院4区。次期衆院選の公認候補となる選挙区支部の支部長選びがようやく一定の結論に達した。7月27日に開催された、同区の「支部長幹事長会議」は、三条市の國定勇人市長を支部長に選任することを決めた。だがその選考過程について、同市長の地元である三条市を中心に、4区内から不満が漏れている。ただしもはや「覆水盆に返らず」かもしれない(一部敬称略)。

 

甘利明選対委員長へ直訴

 

4区内の自民党関係者が同党の甘利明選対委員長に直訴の手紙を出したという。内容は断片的にしか伝わっていないが、おおよそ以下のようらしい。

 

「7月、衆院4区の選挙区支部では不在となっている支部長について、國定勇人三条市長を選任することを決めた。だが國定市長は過去の総選挙において、自民党の反対側である菊田真紀子を応援していた人物だ。

 

これまで金子恵美や塚田一郎、そして石﨑徹の件で、自民党は厳しく対応してきた。國定市長についても、問題を抱えているとされているが、まったく不問に付されているのは不可解だ。

 

さらに自民党三条支部は6月の役員会で、4区支部長の選任については『(自民党)県連一任』とした。それなのにその後の4区支部の会合等で、三条支部は『國定支持』と報告している。これは虚偽の報告で、これでは民主主義の破壊だ。

党本部による適正な指導と公正な判断をお願いしたい」

一昨年10月の衆院選だが、4区では自民の金子恵美が無所属の菊田真紀子にあっけなく負けてしまった。比例での復活もなく落選。その後、金子は芸能界に転身したようなもの。4区の自民党とは断絶状態で、いわば帰る実家を失った嫁さんみたい。それから自民の4区支部長、すなわち4区の公認候補は不在のまま推移した。

 

7月に参院選が行われたが、当初は「衆参ダブル選挙」とも言われた。盟主不在のままでは不戦敗になってしまう。そこで4区支部の支部長を選ぶ作業も本格化した。中間省略で結論から言えば、7月27日に開催された自民党の「第4選挙区支部長幹事長会議」において、三条市の國定勇人市長を4区支部の支部長、すなわち公認候補に選任することが決まった。

 

正式には自民党県連、そして党本部の決定を経て國定市長の支部長就任が決まる。現職の市長が在任のまま小選挙区の公認候補になるのは極めて異例だという。

 

栗原vs國定

 

三条市の國定市長と支部長の座を争っていたのが医師の栗原洋志だった。4区選出だった栗原博久元農水副大臣の長男。父の博久元衆院議員は中選挙区時代に初当選。小選挙区時代になって、無所属だった渡辺秀央元郵政相やその後継で、当時の自由党公認で出馬した菊田真紀子に勝利した。

 

栗原元衆院議員は平成15(2003)年の選挙で民主公認の菊田に敗れ、その2年後に行われた総選挙から栗原洋志が4区の公認となった。その際の選挙では9万4千票近くを獲得したが、選挙区でも比例でも当選ならず。この得票はその後の金子恵美を含め、4区の自民党候補でマックスの数字だ。

 

結局、栗原洋志はその次、平成21(2009)年の選挙に出馬したが、当選は果たせず。2年前の総選挙で自民の比例名簿に登載されたものの、やはり当選には届かなかった。

 

一方の國定勇人市長だが、初当選は平成18(2006)年の選挙だった。元総務官僚で、同15(2003)年に三条市に出向。翌年、三条地域を中心に甚大な被害をもたらした「7・13水害」(新潟・福島豪雨)で陣頭指揮を執った。いったん総務省に戻った同市長だったが、「高橋一夫前市長が國定さんを後継に指名して連れてきた」(市議会筋)という。

 

初当選時は34歳で全国最年少の市長だった。前々回に続き、昨年も無投票で4選を果たし現在に至る。三条市内では同市長の行政手腕を評価する声もあるが、別掲記事のように、自宅を前市長から贈与された件で告発されるなど、アンチ國定派の攻撃にもさらされている。

 

「三条支部は全会一致で國定」

 

國定市長の支部長選任を決めた「第4選挙区支部長幹事長会議」だが、中身は非公開だった。会議終了後、佐藤純県議(新潟市江南区)と小林一大県議(新潟市秋葉区)が記
者会見に臨み、会議の中身を明らかにした。

 

その会見の内容によれば、「結論としては全会一致で國定市長を4区の支部長に推すことになった」という。「全会一致」とは、「参加者すべてが國定支持だった」という意味ではない。「様々な意見が出たが、最終的には國定でいくことを皆が了承した」といった意味。自民の会合などでよくあるパターンだ。

 

具体的な中身は以下のようだった。…続きは本誌に

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