『突然の激しい頭痛は、ためらわずに脳外科へ』
2019年08月27日
■医師データ
昭和56年、新潟大学医学部卒。同年、新潟大学脳神経外科入局。桑名病院、三之町病院、新潟中央病院、佐渡総合病院、アイオワ大学神経科、水原郷病院副院長などを経て平成19年開業。医学博士。
突然起こる激しい頭痛は、命にかかわる疾患の可能性がある。たとえ痛みが治まったとしても、速やかに専門の医療機関を受診すべき。今回は危険な頭痛について取り上げる。解説は本田脳神経外科クリニックの本田吉穗理事長にお願いした。
「ある日突然、今まで経験したことがないような激しい頭痛に襲われたら、たとえ普通に歩けたとしても、また仮に痛みが治まったとしても、脳外科専門の医療機関をためらわずに受診してください。というのも、くも膜下出血の可能性を否定できないからです。
くも膜下出血とは、脳の表面でくも膜の下の腔を走っている動脈にできたこぶ(動脈瘤)が破れて、くも膜の下に出血が広がる病気です。
くも膜下出血は致死率が非常に高い病気で、発症して昏睡状態になった場合、救急車で病院に運ばれても有効な治療ができないケースが多いのが現状です。
ただ、くも膜下出血を発症しても、運よく出血がすぐに止まる人もいます。これが冒頭にお話しした、突然激しい頭痛に襲われたが、歩ける、痛みが治まるといった人たちです。
こういった人たちの中には、『痛みが治まったから様子を見よう』とか、『近所の内科にでも行ってみよう』といった選択をする人たちがいます。しかしながらこの選択は危険です。一度破れてしまった血管は、一週間以内に再破裂する可能性が非常に高いからです。再破裂して大出血なんてことになると、今度こそ助かりません。たとえ痛みが治まったとしても脳外科専門の医療機関を受診し、MRI検査などで、くも膜下出血の有無を確認することが重要なのです。この段階で適切な処置を行えば、助かる可能性は高くなります。…続きは本誌に