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2024年11月21日

落下傘候補が勝てば県政初で“在来種”の危機

2019年06月27日

参院選の投開票日まで1カ月を切った。現職は自民の塚田一郎で3選を目指す。これに野党共闘の人権派弁護士、打越さく良が挑む構図だ。本来なら現職の横綱相撲なのだろうが、雲行きが怪しい。本県にあって参議院の議席は特殊な重さがあった。それゆえ、これまで落下傘候補に奪われる余地などなかった。その伝統が途切れてしまいそうな情勢だ(敬称略)。

 

参議院議員、今は昔の物語

 

古参の元地方議員が言う。

「歴史的にも新潟県の参議院議員は県政とのつながりも深く、重要な存在なのです」

 

参院選新潟選挙区の記録をひも解くと、確かに歴代知事の名が登場してくる。1947年(昭和22)に当選した北村一男は戦後二代目の知事。三代目の知事で、現職の参院議員、塚田一郎の父である塚田十一郎は1968年(昭和43)の初当選。四代目の知事、亘四郎は1974年(昭和49)に、五代目の知事、君健男は1972年(昭和47)に初当選している。

「君知事時代まで、新潟県の知事は国会議員経験者という不文律がありました。そのため二代目の北村知事から五代目の君知事あたりまで、衆議院議員か参議院議員を経て知事になっています。あるいは知事を退任してから参議院議員になるというケースもありました」 (同)

 

歴代の参院議員には、こうした知事経験者のほかにもビッグネームが目立つ。かつての内務官僚で、戦前の官選知事や新潟市長を務めた小柳牧衛、現在県議(新潟市江南区)を務める佐藤純の祖父、佐藤芳男、その二男で農水相を務めた佐藤隆など。

 

革新系でも同様で、かつて旧社会党の志苫裕や松井誠らの名も見える。

 

「もう一つ、新潟の場合、自民党にとって参議院の議席は県会議員にとって国政にチャレンジするために用意されたものでもあったのです」(同)

 

1977年(昭和52)に初当選した長谷川信元法相、1983年(昭和58)年に初当選した吉川芳男元労働相は県議出身だった。そして今は新潟市長となった中原八一も県議から参議院の議席を射止めた。

 

「こうした新潟の参議院議員ですが、知事は国会議員経験者といった不文律は、佐川事件の余波で辞職に追い込まれた金子清さん以降なくなりました。泉田裕彦さんが知事をお辞めになってから5区の衆議院議員になっていますが、泉田さんは知事としても従来の枠外といった人ですから」 (同)

 

野党系でも、かつての名士的存在が参議院に回るといったこともなくなったようだ。…続きは本誌に

 

 

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