前代未聞! 前三条市長から自宅を贈与された国定現三条市長
2019年06月27日
衆院4区で次の自民党公認候補として有力視されるのが三条市の國定勇人市長だ。東京生まれの元総務官僚で現在4期目。前々回、前回と過去2回の市長選は無投票で、「向かう所敵なし」といった感ありだ。同市長の周辺で前代未聞の事態が明らかになった。市内にある同市長の自宅だが、夫人名義ながら数年前に「贈与」されていた。すなわち「家をただでもらっていた」もので、何と贈与していたのは高橋一夫前市長だった。
前市長から現市長夫人へ贈与
相続を除き、「家をもらった」なんて話はおよそ聞いたことがない。だが「事実は小説より奇なり」だ。実際にそんなことがある。別掲した不動産の権利関係を示した書類を見ていただきたい。三条市内にある居宅に関するもので、所有者として「國定」の名が見える。これらは國定勇人三条市長の自宅で、物件の名義人は同市長の夫人だという。
こうした不動産に関する登記事項は公開されていて、国の出先機関である法務局で申請すれば誰でも入手できる。これら登記事項の証明書によれば、建物は木造2階建てで、1、2階を合わせた床面積は52坪ほど。新築年月日が不詳とされた建物は登記されていなかったようだ。そのため平成28(2016)年4月に、國定市長の夫人を名義人とする所有権の保存登記が行われた。
この居宅が建つ土地は面積が65坪弱。平成27(2015)年11月に、元の地番を分割(分筆)し、前所有者から國定市長夫人へ所有権が移された。この土地を相続によって取得した前所有者だが、「高橋一夫」とある。同姓同名が相当ありそうな名ながら、記載された住所からすると、三条市の高橋一夫前市長に違いない。
高橋前市長から國定市長夫人に土地の権利が移った原因だが、売買ではなく「贈与」(平成27年11月25日)となっている。贈与とは無償で相手方にお金やものなどを与えること。この土地にある未登記だった建物も前市長の所有だったものと思われる。とすれば國定市長夫人は高橋前市長から「ただで土地と建物をもらった」ということになる。
國定市長夫妻は「別居しているわけではない」という。同市長を送迎する三条市の公用車は、この家の前に停まるのだとか。要するに、名義人こそ夫人ではあるが、同市長は「前市長から土地付きの家を贈与されていた」ということだ。
冒頭にお断りしておきたい。この件について國定市長は市役所の秘書を通じ、「答える必要はない」とした。高橋前市長にもことの経緯を解説してもらうべくお願いしたものの、回答はなかった。
國定も、菊田、藤田も
高橋一夫前市長が初当選したのは合併前の旧三条市時代だった平成11(1999)年。その4年後に無投票で再選された。平成17(2005)年5月に旧三条市、旧栄町、旧下田村による新設合併で現在の三条市が誕生。その際の市長選に出馬し、同前市長は無投票で当選した。
平成18(2006)年11月、高橋前市長は任期途中で辞職。それに伴って実施された市長選で初当選したのが國定勇人市長だった。同市長は元総務官僚で、同15(2003)年に同市に出向。翌年、三条地域を中心に甚大な被害をもたらした「7・13水害」(新潟・福島豪雨)で陣頭指揮を執った。いったん総務省に戻った同市長だったが、「高橋前市長が國定さんを後継に指名して連れてきた」(市議会筋)という。その担ぎ出しには、「当時は健在だった故桜井新元衆院議員もかかわった」とも言われる。
國定市長だが、初当選時は34歳で全国最年少の市長だった。前々回に続き、昨年の市長選も無投票で4選を果たし現在に至る。三条市内では同市長の行政手腕を評価する声もあるが、一方で〝アンチ國定〟も根強く、やれ訴訟だ、告発だといった動きも相次いだ。…続きは本誌に