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2024年11月21日

空白の衆院4区で胎動を始めた自民の候補擁立

2019年05月27日

夏に改選を控える参院議員の任期満了は7月28日。新潟選挙区では与野党とも候補が出そろい、臨戦態勢に入った。この参院選と同日に衆院院選が行われる可能性がささやかれている。仮に衆参ダブルになった場合、4区の自民党はどうするのか? 2年前に金子恵美が落選。今や金子はタレント業界に〝転出〟した格好で、後継が定まらない。衆参同日で4区の自民は不戦敗か?(一部敬称略)

 

自民空白の新潟4区

 

単刀直入、衆院4区の自民党関係者(新潟市)に聞いてみた。「4区の公認候補選びはどうなっているのですか?」と。回答は以下のよう。

「現時点(5月中旬)でまったく何の議論もしていません。どうするんですかね、こちらが聞きたいくらいです」

 

三条市の同党関係者もほぼ同様の答えだ。

4区は「女の闘い」で全国注視の選挙区だった。2012(平成24)年、自民の金子恵美が民主(当時)の菊田真紀子を破って初当選。二人の争いは続き、2年後の総選挙は金子が連勝した。この間、菊田は比例で復活当選。

 

前回2017(平成29)年の選挙では、SNSの投稿をめぐって二人は互いに「卑怯だ」、「デマだ」と場外バトルを展開した。ついに事態は菊田が公選法違反で警察に通報するまでに発展。「女の闘い」に磨きがかかった。

 

選挙の結果は無所属となった菊田が約11万2千票、金子が約8万7千票。やはり金子の夫、宮崎謙介の〝ゲス不倫〟が響いたのか、金子は比例での復活も果たせなかった。

 

その金子は地道な活動で捲土重来を期すというより、タレント活動が多忙らしい。県議らとの溝も埋まらず、「衆院4区の自民党候補は次も金子で」とはなっていない。では誰が…となると、冒頭のような状況だ。

 

取り沙汰される人物はいる。筆頭は三条市の国定勇人市長だろう。元は総務官僚で2003(平成15)年に同市に出向。翌年、三条地域を中心に甚大な被害をもたらした「7・13水害」(新潟・福島豪雨)で陣頭指揮を執った。

 

いったんは総務省に戻った国定だが、2006(平成18)年の三条市長選に出馬して初当選。当時は全国最年少の市長だった。前々回に続き、昨年も無投票当選で4選を果たしている。同市では〝アンチ国定〟も根強く、やれ訴訟だ、告発だといった動きも相次いだ。かつて震災がれきの処理をめぐり、県内の市長らが当時の泉田裕彦知事とやり合った。その急先鋒が国定で、市長の周辺は常ににぎやかだ。

 

国定市長、一歩後退か

 

4区の自民党公認候補として有力視された国定勇人三条市長。だが風向きがちょっと変わったようだ。

 

「4月の県議選だが、三条の事情は複雑でね。自民党では現職の佐藤卓之が引退。自民は元職の坂田光子と若手の市議、河原井拓也、
野党系は現職の藤田博史と元菊田真紀子の秘書をした市議、杉井旬が立候補した。自民の公認は元職の坂田でなく河原井。坂田は推薦で無所属だった。

 

結果は自民公認の河原井と野党系の杉井が当選。この二人だが、どちらも国定市長の支持を受けていた。4月の県議選で国定さんは自民の公認とともに、野党系の候補も支援した。我々自民の側からすれば、〝何で野党候補を推した人物を4区の公認候補にしなければならないのか〟となる。だから国定さんは衆院4区の支部長(公認)候補として、1歩も2歩も後退だ」(前出の自民党関係者)

 

別の面から「国定は後退」とする指摘もある。

 

「三条市で計画される県央基幹病院だが、今は造成工事が行われている。その隣接地に三条市が公設民営で看護科など、医療系の専修学校を設置するわけだが、市の事業パートナーがNSGだ。三条市医師会では自分のところで准看護学院をやっているが、基幹病院横の医療系専門学校は医師会がやりたかったんだ。

 

それを市長がさっさとNSGと組んだものだから、国定さんの有力支持者を含む医師会としても面白くない。両者の関係がぎくしゃくしている」(三条市内に本社がある建設関連業の社長)

 

本命視された国定市長が厳しいとなれば、いったい誰がいるというのか…?…続きは本誌に

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