現役合格「東大16人、京大14人」 詳報・本県大学合格者数
2019年04月26日
待ち望んだキャンパス生活に胸躍らす大学生。先輩から手取り足取り教わりながら、初めて手にする給料に感動を覚えた社会人。「来春こそは合格」と受験勉強のリスタートを切った浪人生…。この春、高校、中等教育学校を卒業した生徒たちの新生活がスタートした。新潟に生まれ育ち、学べたことを誇りに、それぞれが進んだ道で全力投球をしてほしい。そしていつか、この新潟で大きな仕事をやってのける人材に育ってほしい。今年も本県の大学入試結果を、今号(主に合格者数)と次号(主に進学者数)にわたり完全独自調査でリポートする。
新潟県のためになる人間であってほしい
まず、過去5年の国公立大学現役合格者数を見てみる(いずれも本誌調査分=4月16日現在=以下、本文中の数字も断りのないものに関しては同じ)。
【2015年】
▼ 2798人
【2016年】
▼ 2748人
【2017年】
▼ 2496人
【2018年】
▼ 2587人
【2019年】
▼ 2657人
2017年にドカンと減らしたものの、2年連続で前年比プラスを達成した。本県の大学短大等進学率(大学等進学率)は、国公立大学合格者数が増えると上昇する傾向にある。今年の進学率は少しばかり上昇しそう…と言いたいところだが、実は私立大学合格者数は昨年比500人減。表①の「大学短大等進学率」の経年比較からも、今春の大学等進学率は、良くて微増といったところだろう。
首都圏私立大学の定員厳格化の影響が色濃く出ているようだ。定員厳格化とは、極めて簡単に説明すると、「定員オーバーした大学は補助金を減らすよ」という国の指令だ。定員オーバーできないため、合格者数は必然的に抑制され、定員割れは追加合格で対応する。来月号で紹介するが、定員厳格化の影響が大きかったとコメントした学校が非常に多かった。
厳格化=合格者数の抑制は、私立大学の難易度を高めることになる。「端的に言うと、これまで合格できていたレベル層では合格できなくなっている」(塾関係者)という。ボーダー偏差値50の大学を平均偏差値60の生徒が受験すると、例年なら「まず大丈夫だろう」となる。ところが、「まさか…」という事例が続出したらしい。そういうコメントが実に多かった。後段で私立大学の合格者数を見たときに若干の解説を挟むとする。
東京大と京都大の現役合格者数は、それぞれ16人(前年比4人増)、14人(同3人増)。特徴的なのは、多くの学校から合格者が出たことだ。東大には昨年、新潟と長岡の2校からしか出なかった。今春は両校のほか高田、新潟市立高志中等、柏崎翔洋中等、直江津中等、津南中等の7校から出た。昨年は4校からだった京大は9校から出た(表④)。
右の結果だけで「全体的に学力は底上げされた」などとは言えまいが、2年後にスタートする新しい大学入試制度を踏まえれば、特に合格者を出した学校は、自校の“やり方”に自信を深めたのではないだろうか。
さて、若者にお願いしたいことがある。
本県は実に多くの難問を抱えている。人口減少、人口流出、低い県民所得、医師・看護師不足…。どれも頭の痛い課題ばかりだ。この解決に挑むのは、われわれ県民であることは言うまでもない。「観光を突破口にして本県浮上を目論んでいるように見える」のが花角知事だとある大学関係者は言う。観光が元気になると、インフラ整備、交通、商売、人など広く好影響がもたらされるだろう。花角知事をヨイショするわけではないが、リーダーたる知事のもと、いずれは課題解決の知恵を授ける側に立ってほしいものである。
それには大学で学ぶこと、仕事で経験すること、そして張り巡らしていくであろう人脈等をフル活用することだ。そのチャンスを、高校を卒業することで、皆が等しく得たのである。いずれ新潟県のために力を尽くして欲しい。
長岡崇徳大学が開学
今回は、県内の全日制高校・中等教育学校のうち58校に調査用紙を郵送し、小出高校を除く57校から回答を得た。本稿を進める前に誌面を借りて御礼を述べる。
年度替わりの多忙な折、ご口にして本県浮上を目論んでいるように見える」のが花角知事だとある大学関係者は言う。…続きは本誌に