新潟市中央区市議選 「ここだけの話」
2019年03月27日
昨年の市長選で敗れた吉田孝志元市議だが、中央区の市議選に立候補を予定し、市議復帰を目指している。3月9日、同元市議の総決起大会が開催された。そこで「ここだけの話…」として語られた内容は、「43年ぶりの保守市政奪還。保守系市議は小異を捨て大同につけ」が本来の趣旨だったのだが…(一部敬称略)。
前々回に続き、昨年10月の新潟市長選に出馬した吉田孝志元市議。前々回の市長選後は市議選に回り、中央区で1万超という断トツの票を得て復活した。今回も同様に市議会への復帰を目指している。
前回は自民の公認だった吉田元市議だが、今回はその金看板がない。昨年の市長選、同元市議と中原八一市長の二人が自民に推薦を求めた。自民は土壇場で中原支持を決定。今回、吉田元市議が公認を得ていない背景には、未だ市長選のしこりを引きずるという事情があるらしい。
3月9日、市議選に向けた「吉田たかし総決起大会」が開催された。300人超の参加で、市長選か国政選挙かと思わせるほど。石﨑徹や塚田一郎など国会
議員の来賓は秘書が代理出席。市長選で吉田支持だった市議らの姿もない。やはり公認を得ていない吉田元市議の集まりへ出席することに、何らかの制約が
あったのかも。
唯一、中央区選出の小島隆県議(自民)は本人が出席して挨拶した。市長選では吉田を担いだ同県議だが、選挙で戦った相手である中原市長には手厳し
い。
「今日は本音で話します。ここだけの話」と前置きしてからこう続けた。
「中原(市長)さん、いつも原稿だけ読んでいる。本当にあの人にこのまちを良くしたいという考えがあるのか。どういう方向に持っていく考えがあるの
か、はなはだ疑問であります」
年頭の各種新年会で、中原市長の挨拶が、「いかにも事前に役人が用意した原稿棒読み」みたいなシーンもあった。小島県議の「ここだけの話」という挨
拶にはこんな部分も。
「中原さんが寛容で大きな人物なら、吉田さんに〝一緒にやっていこう〟と一声かけるべきだった。それがあったなら変わっていたと思いますが、ありませんでした」
やはり新潟市の自民党は市長選のしこりを未だ引きずっているようだ。といって小島県議の意図するところは「中原市長攻撃」ではないという。むしろ
「ここは我慢。堅忍自重が必要だ」(同)という。その意図するところは、「市政の風土病撲滅」にある。
新潟の市議会は保守系が分裂し、これまで議長の選出などを巡って互いに抗争を繰り返してきた。これが市議会の〝病〟。現在、同市議会の保守系会派は
3つある。昨年、本格派の花角県政が誕生し、新潟市も中原市長当選で43年ぶりに保守市政が復活した。
それなのに市議会が「風土病蔓延状態」では、「何のための市長選挙だったのかと言わざるを得ません」(同)。
だから「火に油を注ぐような中原批判はグッと我慢せよ」というのが小島県議の意図するところだ。
今回の改選で、「いかにも在郷(ザイゴ)の議会」から政令市らしい議会に生まれ変われるか、注目したいところだ。