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2024年11月21日

クルーズ船寄港数最高更新の本県でも金沢港の半分以下…

2018年12月27日

新潟空港の利用者数が上昇気流に乗っている。3年ぶりに100万人を超えた平成29年度に続き、30年度も連続して大台を突破しそうだという。空だけではなく海もまた上げ潮ムードだ。県内港へのクルーズ船寄港回数は、ここ数年で4・4倍に急上昇した。これは実にめでたい…、とうかれてばかりはいられない。よそはもっと伸びている。悲しいかな新潟港に限って言えば、回数こそ伸びたものの全体でのランキングを下げているのが現実だ。

 

何と6年で4・4倍、過去最多を更新

 

「県内へのクルーズ船寄港回数でございますが…」

 

新潟県議会、12月定例会の建設公安委員会で、こう言って交通政策局長が資料(別掲)の解説を始めた。

 

県議会にはそれぞれ13人で構成する常任委員会が4つある。このうち建設公安委員会が所管するのは土木部、企業局、交通政策局、公安委員会などの事項。港湾や空港などを守備範囲とするのが交通政
策局で、定例会ごと同局の局長が新幹線の利用状況、県内港のコンテナ取扱量、新潟空港の利用状況など、統計資料を委員らに解説する。

 

そうした中で、クルーズ船の寄港回数に関する部分は特に歯切れがいい。冒頭部分に続き、局長はこう述べた。

 

「クルーズ船の県内港への寄港は近年増加傾向にあり、平成30年は過去最多、22回のご寄港をいただいたところです」

県内へのクルーズ船寄港回数だが、別掲のように平成24年は年5回だった。それが同30年には、何と4・4倍で22回になった。6年かそこらで4倍強に膨れ上がる事業など、そうそうあるものではない。例えばボーナスが4・4倍になったら、それはもう夢見心地だ。

 

しかも来年度はさらなる寄港が期待され、これまでにないビッグな船も登場するという。

 

「来年度は今年度を上回る寄港が見込まれており、大型クルーズ船についても、現在国内に寄港している最大クラスの寄港が予定されております」 (同)

 

新年度に入って間もなくの4月14日、プリンセス・クルーズ(米国本社)が保有する『ダイヤモンド・プリンセス』(約11万6千トン、定員2千708人)が東港(南ふ頭、聖籠町)に初寄港する。

 

まさに本県は〝上げ潮〟だ。黙っていたってクルーズ船が寄港してくれるわけではない。これも誘致に向け、官民一体で展開したプロモーション活動のたまもの。過去最高の内訳だが、別掲のように県内合計22 回のうち、新潟港が13回(西港11回、東港2回)、佐渡9回(小木港7回、二見港2回)。

 

建設公安委員会には与党も野党も、若手も重鎮もいる。みな大満足なのだろうか、飛躍的に拡大したクルーズ船の寄港回数について他県との比較で質問する県議は皆無。褒めることはあっても、横やりを入れたりすることはない。

 

「開港五港」が泣く、金沢との格差拡大

 

クルーズ船の寄港回数だが、新潟港(西港、東港)に限定すれば、平成29年度が8回、同30年度が13回。倍増とまではいかないものの、1・6倍強に急上昇した。さすがは横浜や神戸と並び、開港から150年を迎える新潟港だ。…続きは本誌に

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