亀田製菓 2025年売上の2割は〇〇が占めている!?
2018年12月27日
国内最大の米菓メーカー亀田製菓の業績が堅調推移を辿って久しい。あられおせんべいの製菓業から食品業への脱皮を最近表明しただけに、水面下では試行錯誤の錯綜も垣間見える。
少品種・大量生産型は時代遅れに?
瀬戸田 米菓を含む昨今のお菓子のニーズは、劇的な変化を遂げているように思われます。特色を挙げるとするとどんな点ですか?
田中 二つあります。一つは健康というトレンドです。もう一つは消費の多様化です。アメリカでは、インターネットなどを使って商品について自分で調べる探求心が非常に強くなっています。
自分の食べたいお菓子はこういうものでなくてはならない、そういう概念。自分の考えをまとめ、それに合った商品を買い求めています。アメリカのトレンドとしては、大量生産するところより、特色のあるお菓子を提供しているところが伸びています。フリトレーイやキャンベルなどナショナルブランドメーカーは横ばいなんですね。日本もこれから、アメリカと同じような時代になるんじゃないかと感じています。
ヒット商品は、お菓子業界全般で出ていないと言えます。食品業界と言ってもいいかもしれません。
当社は年間、期間限定商品などを含めると100前後の新商品を出しています。でも、ヒット商品と呼べる商品にはなり得ません。わずかに数商品が、数年だけ売れる程度です。目新しい商品を出せばすぐに飛びついては頂けます。でも、他社も次から次へと新しい商品を出してきますから、すぐにそっちに目が移っちゃう。従来の新商品は緩やかに販売が伸びていくんですが、昨今の傾向はすぐに伸びてすぐに落ち込んでしまう。
すぐに終わって次の商品に移ってしまう傾向にあるんですね。そういう中で新商品をヒットさせていくというのは、非常に難しいことなんだろうなと捉えています。
お菓子業界全体で2兆5千億円のマーケットです。米菓は2600億ほどのマーケットです。菓子メーカー全体での新商品は、年間1万じゃきかないと思います。そこから何年も生き残る商品、業界でヒット商品だと評価されるのは、1万あった中で5個もないと思います。
数年前にグミが出てきました。大当たりしました。あらゆるメーカーがグミの商品を出しました。そして、全体でしぼんでいきました(笑)。
亀田製菓のような少品種・大量生産型は、お客様のニーズに適応できなくなってくる恐れがあります。これから先を考えた場合、どうやって対応していくべきなのか。これは大きな課題ですね。
10月10日を「亀田の柿の種の日」としたイベント
瀬戸田 健康ブーム、健康ニーズを端的にあらわした現象はありましたか?
田中 数年くらい前からチョコレートが健康にいいということで、ここ2、3年で1割近く市場規模が拡大したと言われています。…続きは本誌に