伸るか反るか! 東京の弁護士事務所からの調査依頼
2018年12月27日
新潟─十日町間の2往復の調査実費2万円ナリ
過日、当調査事務所にある弁護士事務所から電話がかかってきました。
「実は、ある人物に関する調査を依頼したいのです」 (某弁護士)
近年、当調査事務所は県内外の法律事務所から調査依頼を頻繁にいただくようになりました。今回はお世話になっている新潟の弁護士事務所様からのご紹介です。
ご紹介をいただいたからには弁護士事務所にかかわらず、ご紹介してくださった方のお顔を潰すことのないようにすることを第一に思案いたします。とてもありがたく感激で胸が熱くなる半面、それ相応の重圧もかかるわけでして…。
東京からの依頼ということで、今回は直接面談せず電話やメール、必要により郵送でのやり取りで受任させていただくことになりました。どうであれ、一面識もない中で調査費用を負担していただき、ご依頼をいただくということの信用・信頼になんとか応えなければなりません。
その調査内容は以下のとおりです。
「ある人物の居住実態の有無、そして実際に居住しているなら、その人物の勤務先を割り出していただきたいのです」 (弁護士事務所)
ハキハキとした歯切れの良い口調、そして隙がないと申しますか、用件を過不足なく的確に伝えてくるあたりは、いかにも法曹関係者です。
所長の私も無駄な会話を極力排除して、端的に質問します。
「情報はどこまでお持ちなのでしょうか? 住所は?」 (私)
「十日町市です」 (弁護士事務所)
「居住確認と勤務先の割り出しということは債権問題ですね。当方での調査対象者の確認撮影もあったほうが宜しいですね?」 (私)
「はい。そうしてもらえれば、ありがたいです。とりあえず、どのくらいの費用がかかるのか知りたいので見積書を作成してください」(弁護士事務所)
「分かりました」 (私)
当案件の調査ターゲットの人物はかつて勤務先で会社の金を数千万円単位で横領していたことが発覚。懲戒解雇されて以降、損害金を分割にして相当額を月々弁済していたようですが、ここへ来て1年ほど返済が滞っていることから、会社側が弁護士事務所に対応を依頼したようです。
調査ターゲットの氏名は高瀬秀則(仮名・△才)。妻子持ちで家族3人の世帯です。
とはいえ弁護士事務所が取り寄せた住民票では、平成29年春よりそこに居住していることになっており、そして世帯主は奥さんになっています。いろんな意味で怪しい匂いがしてきます。その住所に果たして高瀬本人が住んでいるかどうか、住んでいるとすれば勤務先はどこなのか調べてほしいといいます。
通常であれば私たちプロにしてみれば、比較的簡単で単純な調査の部類に入ります。
しかし、当案件については懸念事項が多々見受けられるのです。
①えてして詐欺・横領等の人物の場合、自由業・在宅ワーク・無職・特殊な職業等の可能性が高くなる、よって困難を極める。
②調査地は十日町市の中心部からは離れており、張り込み対応が困難な地区である。
③困難を極めた場合、十日町市という点で調査地までの移動実費が相当額発生してしまう。
サラリーマン前提の養育費回収の案件と様相は違うと判断せざるを得ないわけです。
本音を言うと、個人的にはとてもお受けしたくない内容の案件でありました。
しかし、弁護士事務所が概算を
知りたいというので以下のような
見積書を提示しました。
⃝調査料金(一式)…10万円
⃝消費税…8千円
⃝実費充当(一式)…2万円
⃝合計金額…12万8千円
当調査事務所は新潟市に実在しますが、ターゲットが住んでいるとされている十日町市までは片道約1時間30分、往復3時間ほどかかります。
そしてこの種の調査の場合、1回目の現地調査で調査対象者が必ず動くという保証もありませんから、見積もりとしては2回の現地調査分を前提とした見積もりにしまし
た。このため2往復分の調査実費を2万円と見積もったのです。新潟市から十日町市までの高速代とガソリン代(調査時の燃料代を含む)を考えれば、2往復で2万円は妥当といえるはずかと思います。…続きは本誌に