三井田・柏崎市議が無所属で県議選出馬
2018年11月27日
県議選・柏崎刈羽郡選挙区(定数)での保守候補者選びに亀裂が生じている。「議席は1つあれば良い」(本誌10月号参照)との三富発言に支援者が反発。後継者として推薦した与口善之柏崎市議を一枚岩で応援する体制が作れない状況になっているのだ。
鷲尾英一郎衆院議員が三井田氏と政策協定
田中角栄元総理の後援会「越山会」の三羽烏の1人として、中心的役割を担ってきた三富佳一県議(10期)の後援会組織は、三富氏を後継者と選んだ西川勉・元県議会議長の後援組織をそっくり引き継いでいる。刈羽郡を拠点とする集まりを「三山会」と呼び、柏崎市を拠点とする集まりを「三富佳一後援会」と呼んでいる。この2つの組織に約3000人の支援者が加盟している。
現在、後援会員の平均年齢は高く、9月10日に開かれた三富県議の引退表明後、数人の幹部は次のように話した。「三富先生が引退するならオラたちも引退する。後継者を応援する考えは毛頭ない。もし、三富県議がまだやりたいというなら、引き続き応援する気持ちはある。
三富佳一後援会も三山会も、10期という長きにわたって、新潟県議を勤め上げた三富さんのためのものであって、後継者のものではない。オラたちは三富さんと一緒に歳を重ねてきたし、三富さんとともに人生を歩んできたと思っている。そういうオラたちを簡単に利用しようとする根性が気に食わない。何度も言うが、自分のための後援組織が欲しいのなら、自分で努力して創りなさい。本来、後援会というのはそういうものだ」
巷間流れてくる噂によれば、自分の後継者と三富県議から名指しされた与口善之・柏崎市議は、早くも新潟県議に当選したかのような不埒な言動を見せているという。その様子を間近に見た人は、「あんな人を県議に選んだら、全国の笑いものになる」と吐き捨てた。
西川勉・元県議会議長は、次のように与口氏を評した。
「私は与口君の父親もよく知っている。お父さんは徹底した保守派の政治家でした。むろん、才能もお持ちでした。
しかし、息子は自発的に物事を考えてチャレンジするとか、論理的に行動するようなタイプではない。何の裏付けもないのに自信過剰なところがあって、先入観で人を判断し物事を処する癖がある。
しかも、人間関係を簡単に考えすぎる。彼はボンボンの典型で、政治家には向いていないというのが私の結論です」
さらに、三富県議の「議席は1つで良い」発言について、西川氏は「なぜ、彼がそんな発言をしたのか理解できない。むしろ、今こそ保守本流の柏崎刈羽地域を取り返すチャンスだと思う。万一、無投票にでもなったら、田中角栄先生以来、脈々と続いてきた保守本流の血が途絶えてしまう。それが心配だ」と言い切った。
そうした良識ある声に押されるかのように、与口市議と同じ保守系会派に所属する三井田孝欧・柏崎市議(4期)が、そぞろ立候補の動きを開始したとの情報が流れた。三井田氏は党柏崎支部の総務会長で、県連青年局組織委員長である。
早速、三井田市議に確認すると、「それは財界さんの記事の影響ですよ」と苦笑いし、「過日の新潟市長選のような流れになれば、私のような小物でも当選の可能性はゼロではないでしょうね」と含みのある言い方をした。
それはどういう意味か。
「中原八一候補勝利の万歳三唱のとき、ご本人の真横でいち早く声を張り上げたのは元民進党県連代表の鷲尾英一郎衆院議員(無所属)でした。自民党の県連会長の塚田一郎参院議員をはじめ、自民党国会議員は1人もいませんでした。
しかし、それでも、党県連幹事長の柄沢正三県議は〝43年ぶりに保守市政を奪還できた。皆さんがそれぞれの立場で応援いただいた結果です〟と県議団に中原氏の当選を報告されました。すべてはそれに尽きます。塚田会長も辛い立場に立っておられましたが、本心は安堵されたはずです」と三井田市議は率直に話した。
三井田市議としては、鷲尾英一郎衆院議員の支援を背景に、県議選を戦うということで、すでに2人の間には政策協定が結ばれたようだ。だとすれば、もはや、三富県議の「議席は1つあれば良い」という退嬰的な発言にこだわらないということか。…続きは本誌に