─ 深夜に農村で調査車両が脱輪!探偵ピンチ! ─
2018年11月27日
家電量販店の駐車場で熱いキスと抱擁
長年、調査業に携わっていますとプロとはいえ、ときには失敗することもあります。今回ご紹介する失敗談はほんの数日前に起きた出来事です。
どんな分野でも同じことがいえると思いますが、ほんの少しの気の緩みが失敗を招くのが世の常であります。年末を迎えて何かとお忙しいかと存じますが、そんな他愛のないお話でしばし和んでいただければ幸いです。
今回の調査依頼者は三条市にお住まいの会社員・野田久則さん(仮名・27)です。具体的な依頼案件は奥様・真奈美さん(同・25)の素行調査で、野田さんは真奈美さんが浮気をしているのではないかと疑っていらっしゃいます。
野田さんが意外にもサバサバした口調で話します。
「実は、2カ月前に妻が私に〝離婚してほしい〟と切り出してきたのです。半年ほど前から明らかに外出する機会が増えましたし、帰宅する時間も以前とは比べ物にならないほど遅くなりました。ほかに男がいる可能性は大だと僕は考えています…」 (野田さん)
野田さんは「縁があって結婚した妻ですから、僕の本心としては離婚したくはないのです」とも訴え、複雑な心境を吐露するのでした。
野田さんご本人の今後のためにも早急に奥様の浮気についてシロクロを見極めた上で、対応策を考えることが肝心です。私たちは早速、真奈美さんの素行調査に着手。
すると調査開始から2日目の午後7時過ぎ、ターゲットの真奈美さんに早くも動きがありました。三条市内の家電量販店の駐車場に自分の軽自動車を止め、見知らぬ男性の車に乗ってどこかへ向かったのです。
私たちが追尾すると、男の運転する車は三条市内のラーメン店で停車。真奈美さんと男はともに店内に入り、その店の看板メニューを注文して1時間ほど滞在しました。
そして店を出ると、男がハンドルを握る車は再び家電量販店の駐車場に戻り、店内への入口から離れたところに車を停めると、周囲にほかの車がなく人目につきづらいのをいいことに、車内で熱いキスや抱擁をするのでした。私たち調査員はその一部始終の光景を映像に記録します。
この日は結局、ホテルにこそ行きはしませんでしたが、二人の男女がただならぬ関係であることは疑いようがありません。
私はただちに野田さんに一報を入れました。
「真奈美さんが男と密会している現場を押さえました」 (私)
その後も私たちは車を追尾。すると大胆なことに、男は野田さんの家のすぐ近くにまで車を乗り入れて真奈美さんを降ろし、走り去って行ったのでした。
無論、私たちは現場を立ち去った男の車を慎重に追跡します。すると三条市内の小さな農村集落に車が入っていったものですから、これ以上の深追いは相手に察知されるリスクが高いと判断して追跡を中止。
20分ほど時間をおいて、ローラー作戦で男の車を探すことにしました。
ローラー作戦の現場であろうことか車が脱輪
午後11時を回っていましたので、私たちの車がヘッドライトを煌々と照らして追尾すれば、男に怪しまれる危険性がありました。
どうであれ後続車があれば意識される土地柄です。このため現場で20分ほど待機し、男が駐車場に車を止めて家の中に入ったのを見計らって、駐車中の男の車を探し自宅を特定するというのが私たちの算段でした。
見たところ30軒あるかないかの小さな農村集落でしたので、いってみればこの集落に住んでいることを突き止めただけでも一定の成果です。時間をおいてのローラー作戦は調査手法としてはよくあることです。
ただし農村集落のため農機具を保管する必要があるためなのでしょう、どの家もシャッター付きの車庫を備えていたことが私たちにとっては不運でした。男は車を車庫に入れると、ご多分に漏れずシャッターを閉めたに違いありません。男の車が見当たらないのです。…続きは本誌に