『白内障および加齢に伴う眼科疾患について』
2018年11月27日
■医師データ
長谷川茂。新潟大学医学部卒。同大学医学部講師、助教授、准教授を歴任。大学では数多くの難症例の手術を手掛け、県内の複数の地域中核病院の眼科手術責任者も務める。新潟の名医に2回連続で選出される。医学博士。
人間がもっとも情報を得ている器官は、おそらく眼であろう。だからこそ、眼は大切にしたい。今回は、新潟眼科クリニックの診療や、その取り組みなどを取り上げる。解説は同クリニックの長谷川茂理事長にお願いした。
「日本では医療技術の進歩および医療制度の充実により、白内障による失明は激減していますが、世界では失明原因の半数以上を占める疾患です。白内障は水晶体(眼のレンズ)の混濁で一般的には加齢に伴って進行します。白内障以外にも加齢に伴う眼の変化は多種多様です。
調節力の低下(いわゆる老眼)は水晶体の弾力性の低下で、白内障とも関係します。老眼鏡で対応します。
結膜のゆるみ・しわが原因の結膜弛緩症(結膜組織が緩み眼瞼縁からはみ出す)。症状としては違和感や流涙、乾燥感、充血、結膜下出血などがあり、不定愁訴の原因にもなります。軽症の場合は点眼で対応します。症状が改善されない場合は簡単な手術で対応可能です。
硝子体(水晶体の奥のゼリー状の組織)は年齢とともに液化し、飛蚊症の原因になります。飛蚊症は特に治療の必要はありませんが、必要であれば眼底検査をし、網膜剥離になる原因がないか調べます。…続きは本誌に