新潟市長選 官邸に呼ばれていた篠田市長 裏切られた飯野
2018年10月26日
告示日の朝、篠田昭市長は中原八一の出陣式に姿を見せた。だが当初は「飯野晋の出陣式にサプライズで登場するはずだった」という。告示日の2日前、同市長は非公式で首相官邸を訪れている。そしてその翌日、飯野サイドに市長からキャンセルの連絡が入った。首相官邸で何があったのか?
視座は自民党と同じ
ある意味、今回の市長選を彩った一人が篠田市長その人だったろう。告示の朝、まず市長は護国神社(中央区)で行われた中原八一の必勝祈願祭・出陣式に姿を現した。
挨拶に立った市長は、まず野党共闘の小柳聡サイドを批判してこう言った。
「基礎自治体である新潟市の市長選挙で、野党共闘を許してはならない」
6月の知事選で、篠田市長は呼ばれてもいない花角英世陣営の街頭演説にまで登場し、野党共闘批判を繰り返した。小柳の市長選出馬が伝えられた後の記者会見でも、篠田市長は「野党連合ではなく野合になる」、「(野党共闘を阻止するため、自身の5選出馬も)考えるかもしれません」、とまで語った。
確かに今回の新潟市長選での「野党共闘」は「野合」に近い。篠田市政の与党だった旧民主とバリバリの野党だった共産党が相乗りしている格好だ。
篠田市長がより激烈に批判したのが「BRT廃止」についてだった。この政策を掲げたのが吉田孝志。市長は吉田が憎くてしょうがなかったらしい。中原の出陣式でこう言った。
「(BRTの廃止は)実現不可能なんです。今日はそれをお伝えに参りました。新潟市がBRTを廃止できるんでしょうか。新潟市も(BRTの)当事者です。でも本当の当事者は交通事業者である新潟交通です。新潟交通はどんなことがあってもBRTを推進し、持続可能なバス交通を作ると言っています。なぜか? それはBRTでバスの利用者が増えているからです」
その後、篠田市長は中央区万代で行われた飯野晋の街頭演説にも登場。中原の出陣式とほぼ同じ内容を訴えた。
あるメディア関係者はこう言った。
「篠田市長は中原、飯野を応援するといった姿勢を見せましたが、二人を支援するというより、自身が進めた政策を否定されることについてヒステリックになっているという印象でしたね」
篠田市長の小柳、吉田批判は中原をゴリ押しする自民党のスタンスと同じ。「市民派」からスタートした篠田市長だが、その初心はとうに消えてしまったらしい。…続きは本誌に