新潟市「水土シンポ」 参加者の過半数が新潟市職員
2018年10月26日
篠田昭市長の看板プロジェクトの一つだった「水と土の芸術祭」。現在開催中で、今回は数えて4回目となる。9月に開催された「水土」の関連イベントで、参加者の半数超が市の職員だったことが判明した。「参加者の水増しだ」、「職員の協力で何とか体裁を取り繕った」など、否定的な意見も聞かれる。市側は「職員にとってもシンポジウムはプラスの内容だった」と言うのだが。
パスポートもシンポジウムも
「水と土の芸術祭」は篠田昭市長ご自慢のプロジェクトだ。現在開催中で、今年が4回目になる。これまで回を重ねてきたが、未だ評価は真っ二つに分かれる。「アートを身近に感じることができる絶好の機会」と歓迎する声もある。一方、「意味不明の作品が並び、税金の無駄遣い」といった指摘もある。
その評価は別として、アートを解さない新潟市の職員にとって、「水土」はご難の芸術祭らしい。今回の「水土」では、「各種販売売上」として3千7百万円が見込まれていた。その内訳はパスポートや単館チケットの販売収入ということになる。一般で前者は1千5百円、後者は3百円から1千円(いずれも当日)。
このうちパスポートや『公式ガイドブック』(1千円)について、市役所内で依頼文書が回り、職員への購入斡旋が行われていたという。
5月21日付で、「水土」を担当する文化創造推進課長から、各所属長にあてた依頼文書にはこうあった。
〈作品展示が集中する有料3会場は、パスポートを購入すると大変お得にご覧いただくことができます…皆様からパスポートの購入についてご協力いただけますよう、よろしくお願い申し上げます〉
同日付の「パスポート特別販売にかかる部・区内のとりまとめについて(依頼)」なる文書もある。部、区内で購入申込書のとりまとめが依頼されていた。売れ行きが悪かったためか、7月には『公式ガイドブック』についても同様の依頼があった。
以前に本誌でも紹介したが、市職員とおぼしき人物はこう指摘していた。
〈依頼という見えない圧力の【強制】で職員の購入斡旋をしています〉
まあ、職員にノルマをあてがい「売って来い!」と言われないだけまだましなのでは…と、そんな思いもする。だがチケットやガイドブックの購入だけではない。8月20日、市の幹部で構成される庁議で、スポーツ文化部長がこんな発言をしている(『庁議概要』を要約)
〈9月2日には朱鷺メッセのスノーホールで水と土の芸術祭第2回シンポジウム『食文化による地域づくり』を実施する。忙しい時期だと思うが各所属からの参加の協力をお願いする〉
これって職員に対するイベントへの動員要請ではないか? 9月2日は日曜だったが、市の職員もお気の毒だ。
やはり市職員に動員要請
日曜日に開催された「水と土の芸術祭」の関連シンポジウムについて、庁議で動員要請が発せられていた。庁議で〈参加の協力をお願いする〉というくらいだから、これは仕事の一環で、手当も出るのだろうか?…続きは本誌に