非力さ否めぬ本県の難関大学”合格力”
2018年08月27日
他県と比較すると、新潟県の立ち位置が何でも分かるものである。近隣県と各種経済指標を比較したら、新潟県は一人負け状態であることを米山前県政は明らかにした。教育ではどうか。同じように近隣県と比較してみた。
大学進学率最下位は7年
出ても初戦敗退。
新潟県代表と対戦したら初戦突破間違いなし。
かつての本県高校野球は、他県からはボロクソ言われていた。少年野球が甲子園に出てきたというような扱いだった。日本文理高校が夏の選手権で準優勝を果たし、その後も初戦突破は言うに及ばず、ベスト4、8進出を果たし、ようやく払拭できた。今年で100回目を迎えた選手権の歴史を踏まえれば、払拭まで1世紀近くもかかったことになる。
バスケットボールやレスリング、剣道など、新潟が「王国」と言われたスポーツはあった。
「全国で優勝するより、学校代表、新潟県代表になる方が難しかった時代があった」
とは新潟商業高校レスリング部OB。昭和30年代が黄金時代だったという。
今夏のインターハイで開志国際高校バスケットボール部が全国制覇をしたが、高校生になると全国で戦えない状況が、どのスポーツでも長らく続いていた。平均身長は全国トップクラスだし、体力テストだって低くはない。中学校までは全国で通用する子供は結構いるし、競技もある。
中学校まで…。スポーツに限らず、教育にも当てはまるらしい。
「全国学力学習状況調査、いわゆる学力テストで新潟県の小学生は全国上位。中学生は徐々に順位を上げて、今年は上の下、または中の上かもしれないが、上位に入ったと言っていい。ところが、大学進学率になると、本県は全国中位。中の下と言ったところか」(学校関係者)
今年の大学進学率は未確定だが、4月に発表した県の速報値で47・4%。8月の学校基本調査速報値では46・4%(中等教育学校後期課程卒業分を含まない)。後日、確定値が公表されるが、恐らく47%台前半で、順位は30位前後が予想される。
大学進学率はかつて、3年連続と4年連続を含む計7年、全国最下位を経験。昭和38年から平成9年までは、35年連続で全国40位以下。暗黒時代が長かった高校野球同様、教育界も先の見えないトンネルを彷徨っていた時代があったのだ。
最高位は29位。ベスト8にも程遠い。
「いや、量より質だ」といった声もあるだろう。他県と比較すれば、本県の立ち位置も客観的に見ることができるというもの。新潟県が近隣県と経済指標を比較したように、本誌も近隣県と様々な角度から大学合格データを比較してみた。
ここからは別表を見ながら読み進めていただきたい。
本県は“権利行使”できず
比較対象は、宮城、山形、福島、群馬、富山、石川、福井、長野の近隣8県。人口、18歳人口、大学等進学率、学力テスト結果、一人当たり県民所得をピックアップ。学力テストは中学国語・数学とも応用問題である「B」を用いた。「質」を見たいので、大学をカテゴリーに分けて6つの比較表を作成した。…続きは本誌に