篠田市政の置き土産 新潟市予算ゼロ査定業務一覧
2018年08月27日
新潟市では一般の預貯金に相当する基金が政令市に移行する前の10分の1以下に激減、市債残高が1・7倍に膨れ上がった。その結果、同市では平成30年度、119億円の財源不足に陥った。そのため今年度、あらゆる分野で予算カット、ゼロ査定が横行した。ただし市長や議員の報酬、さらに職員給料のカットは除いて。
高らかに「財政限界宣言」
「入るを量って、出ずるを制す」。使い古されたフレーズながら、これが経営や財政の〝肝〟だとか。昨年度、新潟市が作成した「平成30年度当初予算編成方針について」という文書がある。「本市の財政状況について」という項目で、以下のように述べられている。
〈政令市移行前(平成18年度末)に362億円あった基金残高(主要3基金)は、今年度(平成29年度)末には33億円と、10分の1以下に減少し、今後の財政運営の観点からは、危機的な状況である。また、一般会計における地方債現在高(臨時財政対策債を含む)は、平成29年度予算で5,989億円と増加傾向に歯止めがかかっていない〉
預金は10分の1以下に減り、相変わらず借金は増加傾向にあるという。
〈平成28年度決算では、見通しの甘さにより,歳入一般財源が約60億円下回ったことから、減収補てん債を活用したほか、旧市場跡地の売却に伴う基金積立を中止し、かろうじて実質収支を黒字化した。
基金については,直近3年(平成26年度から平成28年度)で、合計166億円を取り崩すとともに、平成29年度予算においても、実質的に43億円の基金(土地基金からの繰入を含む)を繰り入れる見通しであることから、現在の財政構造は,持続可能な財政運営を行っていくには限界がきている〉
新潟市自ら
が、自身の財政状況について〈限界がきている〉
と宣言している。何だかんだと言い訳はあるだろうが、「入るを量って、出ずるを制す」という原則を忘れてしまっていたのだろう。個人だって同じことだ。「もうヤバい」と思ったら、真っ先にだんなの小遣いは減らされるし、食費は切り詰められる。
基金が10分の1以下に、一方で市債残高が平成18年年度の1・7倍に膨れ上がった新潟市は、平成30年度に119億円の財源不足に陥った。
しかし119億円とは、偶然にしてはでき過ぎの数字だ。119だけに、救急車でも呼んで助けてもらうか、消防車で火の車の新潟市を火消ししてもらうか。
(単位:千円)
果たして平成30年度では予算編成に際し、「全事務事業(1,194事業)点検」が行われた。そしてあれもこれも、各種事業の予算が大幅に削られたりゼロにさせられたりした。
当然ながら反発もかった。…続きは本誌に