「裏切り」呼ばわりされた共産党の「過去より未来」
2018年07月27日
「昨日の敵は今日の友」という。「逆もまた真なり」で、「昨日の友は今日の敵」でもある。4年前の市長選で、共にBRT反対を掲げて共闘した共産党と斎藤裕弁護士。同党が野党共闘に傾斜し、BRTの矛を収め、市政与党に属した候補を担ごうとすることについて、同弁護士は「裏切り」と痛烈に批判している。
市民に対する裏切りだ
10月の市長選について、共産党の去就が注目されている。あくまで独自候補を擁立するのか、それともこの間の国政選挙や知事選のように、野党共闘でいくのか。同党の五十嵐完二新潟市議は、「検討中」とし、7月下旬の段階で態度を明確にはしていない。
だが「共産党は6月の知事選に続き、市長選も野党共闘で臨む」といった観測がしきりだ。では誰を担ぐというのか? まさか自民党系の吉田孝志前市議や中原八一元参院議員ではなかろう。知事選など、これまでの経緯からすれば有望視されるのが、市議会で旧民主党系の民主にいがたに所属する小柳聡市議だろう。
ただし共産党の五十嵐市議は、「小柳市議は正式な出馬表明をしていないし、政策も明らかにしていないので未知数」としていた。
「BRT(バス高速輸送システム)反対」などを掲げ、4年前の市長選に出馬した斎藤裕弁護士。その後、同弁護士はBRTの賛否を問う住民投票条例の制定に向け運動を展開した。市長選にしろ、住民投票条例の制定に向けた直接請求のための署名活動にしろ、同弁護士と共産党は協力関係にあった。
その斎藤弁護士は「仮に共産党が小柳市議を担ぐのであれば」とした上でこう言った。「それは完全に市民に対する裏切り以外の何物でもないでしょう。彼ら(共産党)はBRTに対し反対と言い続けてきて、それなのにBRTを推進してきた人を推すということになるのだから」(斎藤弁護士)
先の知事選と同様、国政の課題が前面に出過ぎらしい。
「なぜBRTの推進派(小柳市議)を推すのか聞いてみたのですが、〝憲法9条などで価値観が一致する〟といった話でした。それは新潟の市政とはまったく関係がないと思います。野党と市民の共闘が大事で、そのためにはBRTだけが論点ではないので、今回は(共産党は)小柳を推すといった言い方です」 (同)
小柳市議が所属する民主にいがたは「市長与党」といった立場だった。
「(旧)民主党は新潟市政では与党ですから、そこと組むことは野党共闘でもなんでもないと思うのです。市政の争点で言えば、やはりBRTは大きな問題です。かつて市議会では議長選挙の際に、共産党と篠田市長に批判的な保守市民クラブが組みそうになったことがありました。むしろそちらが健全だと思います。
例えば小柳さんが市長になったとしても、憲法9条がどうなるわけでもないのです。BRTに関して言えば、これまで賛成してきた人を(反対してきた)共産党が推すのは完全に自己矛盾だと思います」 (同)
共産党と斎藤弁護士だが、今や「昨日の友は今日の敵」みたいな間柄になってしまったのか?…続きは本誌に