水面下で見せた自民党”圧巻の攻勢”
2018年06月27日
野党サイドが華々しく空中戦を展開した今回の知事選。底流にあった自民党の動きは決して表に出てこなかった。「ここまでやって負けたら、自民党はどんな選挙でも勝てない」。知事選で新潟入りした同党の国会議員がそう語ったという。それほど自民党本部はこの知事選を重視し、「背水の陣」で臨んだ。その実態はどのようなものだったのか?
野党から「締め付け」の指摘
知事選の投票日から数日たった頃、ある自民党の県議がこう語った。
「花角さんが当選し、何というか高揚感のようなものがありますね」
前知事時代の1年半、県議会で多数を占める自民党だが、県政野党に転落していた。それが「ようやく与党に復帰した」、という思いとは違った感慨だという。
「何か期待感のようなものを感じます」 (同)
建設関連の業界関係者はこう言う。
「花角知事の誕生で、ようやく普通の県になれるような気がする」
魚沼地区の女性経営者はこう言う。この経営者は知事選で野党連合などが担いだ池田千賀子候補を支持した。
「知事選では建設業界に対する自民党からの締め付けが酷かった。〝自民党の知事を誕生させなければ仕事がなくなる〟なんていうのはウソだ。米山知事の時代だって、ちゃんと公共工事はあったじゃないか」
「池田支持だった」という新潟市の建設関連業者もこう言った。
「知事選に関連し、県内大手のゼネコンが自分のところの協力会社を集め、花角への支持を要請した。その際、使い古されたいつものパターンだが、〝花角を落としたら仕事がなくなる〟という話だった」
今回の知事選に際し、野党連合などが担いだ池田側から、「政府自民党による各種業界への締め付け」という指摘がしばしば聞かれた。
知事選の表舞台では、野党側が発する安倍政権批判で賑やかだった。だが底流の部分には違った動きがあったらしい。それは何だったのか?
与党内に不協和音
今回の知事選だが、野党側は与党との対決姿勢を前面に打ち出し、国対委員長やら党首やらを積極的に投入した。一方、自民党は野党側に肩透かしを食わせるがごとく、与党色や自民臭を脱色・脱臭する手法で対抗した。選挙戦で応援に入る自民党の国会議員も、「4回新潟入りした」という片山
さつき参院議員ら、女性が目立った。
一方、同じく国政与党である公明党だが、一時期、知事選に関して「自民との間に溝」、「自由投票」と伝えられた。足並みの乱れが指摘された自民党と公明党だが、告示日を前後する時期にそれぞれ花角の支持を決定。ようやく足並みが揃いだした。…続きは本誌に