映画「クレイマー、クレイマー」“新潟物語”
2018年04月27日
小さな子供がいるのに母親が頻繁に朝帰り
アカデミー賞作品賞を受賞した名作映画「クレイマー、クレイマー」は妻のジョアンナが社会進出のため家を出てしまい、夫のテッドが5歳の息子ビリーと父子二
人きりの生活を始めます。しかし息子に気を取られて仕事に身が入らないテッドは、会社から解雇されてしまうのです。
そして妻ジョアンナとテッドは養育権を争うことに…。
さて、今回お届けする事件ファイルは、劇中のテッドばりの依頼者の日々と向き合い、私自身が相当に思い入れを持った事案です。父親が親権者を勝ち取るために!
新潟市在住の会社員・田中忠直さん(仮名・30)は奥様の美和さん(同・28)が浮気をしていると確信を持ち当調査事務所に相談にいらっしゃいました。
田中さんが重い口を開きます。「妻は昼間の仕事をしているのですが、半年ほど前から〝女子会だ 〟〝職場の飲み会だ〟といった具合に何だかんだと理由をつけて
は帰宅が遅くなり、それが今も続いています。
夜中の12時、1時はザラで、朝帰りすることも珍しくありません。本当に女子会や職場の飲み会なのでしょうか? 私は到底信じられません」 (田中さん)
田中さんご夫婦の間には3歳半の男の子がいらっしゃるそうです。小さなお子さんがいるにもかかわらず、お母さんが飲み会で朝帰りというのは確かに困ったもの
です。
田中さんによると、妻の美和さんは週に半分以上のペースで夜になると外出し、朝帰りすることも珍しくないといいます。
事前情報としては美和さんの会社の同僚で花村慎二(同・24)が挙がっております。田中さんから調査依頼を受けた私たちは早速、美和さんの行動を徹底的にマーク。
その日、飲み会ということで美和さんは車両を使わず田中さんが駅まで送りました。結果、美和さんは例によって早朝6時に朝帰りしたのですが、自宅近くに止まった彼女を乗せた車はタクシーではなく乗用車でした。
ハンドルを握っていたのは20代とみられる男性で、その後の調査により事前情報通り、職場の同僚の花村慎二と判明。ちなみに不倫調査の実に8割以上が職場不
倫です。
調査を続けると、美和さんは夜間外出するときには決まって花村と二人きりで会い、主に車中でデートを重ねていたのでした。
深夜から朝方にかけて車を止める場所は公園などの人気のない駐車場で、長時間の停車であることから、二人が車内で何をしているのかはいうまでもありません。
私たち調査員は当然ながら証拠写真も撮影し、一連の事実を中間報告させていただいたところ、田中さんは「やっぱり…」と現実を直視されたのでした。
妻が隠し持っていた領収書と〝ある写真〟
一連の妻の行動を把握しても田中さんはその事実を美和さんにただちに突き付けることはせず、秘密裏にさらなる情報収集に努めました。結果的に田中さんのこの
冷静な判断は大正解でした。なぜなら浮気にも増して申し開きのできない決定的な証拠を掴むことになるからです。
ある日、ふとしたことから一枚の領収書が見つかったのです。その領収書は産婦人科クリニックが美和さん宛てに発行したものであり、2000円ほどの請求額が記されていました。田中さんはこれを見た当初、「生理痛でもあって医者にかかったのかな?」と思ったそうですが、領収書と一緒にある写真が仕舞われていたのを見て仰天したのでした。
その写真とは、産婦人科医が妊婦のお腹の中にいる胎児の様子を確認するための超音波写真(エコー写真)で、日付を見るとごく最近撮影されたものだったので
す。
いうまでもなく田中さん夫婦の間には3歳半の長男が一人いるだけで、田中さん自身、美和さんから第2子を妊娠したなどという話はまったく聞かされていません
でした。…続きは本誌に