知事辞職で新潟市長選、県知事選の大波乱
2018年04月27日
「一寸先が闇」とはこのことだ。米山隆一知事が1年半かそこらで辞職するなど、いったい誰が考えただろうか。しかもあんな理由で。おかげで上越市や南魚沼では、急きょ県議補選が便乗で実施されることになった。6月に行われる予定の田上、津南の町長選も知事選とダブルの可能性もある。さらに10月の新潟市長選は知事選という突発事態で大揺れに揺れている。
篠田市長、動く
「米山隆一知事が辞職の意思を固めた」。そう伝えられたのは4月16日のことだった。まさに「一寸先は闇」で、翌日に同知事は記者会見を開催。「1、2日の猶予を」として、この日は辞職を表明しなかった。当初、19日に設定された2回の記者会見だが、急きょ1日早めて18日になった。それも夕方5時の予定が、途中で6時に変更されるというあわただしさだった。
運というものはあるようで、この混乱のさなか、偶然にも霞が関に出向いていた県内の首長や議員が何人かいたようだ。そのうちの一人が、何と新潟市の篠田昭市長だった。4月17日、以前から決まっていた日程に従い、霞が関の省庁へ陳情に出向いていた。こうした陳情とは別に、同市長が尋ねた先があった。それが海上保安庁の花角英世次長だった。
花角次長は佐渡出身で新潟高校から東大に進んだ。篠田市長は同次長の高校の先輩にあたる。先輩の来訪だけに、むげにはできなかったのだろう。
その花角次長だが、旧運輸省(現国交省)に入省したキャリア官僚で、4年前は県の副知事を務めていた。
4年前とは、すなわち新潟市長選挙があった年だ。この選挙で篠田市長は3選時のマニフェストで「連続12年でけじめ」としていたにもかかわらず出馬。辛うじて
4選を果たした。その篠田市長だが、4年前に「花角さんが市長選に出てくれれば、自分は降りる」としていたと伝えられる。だが以下のような違った解釈もあった。「出ないことを承知で〝花角が出れば…〟と言い、〝後事を託せする人が出ないから〟と、自身がマニフェストを破って出馬する大義名分とした」
篠田市長は10月の市長選に、未だ出るとも、出ないとも態度を表明せず、模様眺めを決め込んでいる。4月17日、花角次長に面談したという篠田市長は、市長選ではなく知事選への出馬を促したという。
篠田の看板継続中
県政関係者が言う。
「米山知事の辞職必至と伝えられて以降、功名狙いのスタンドプレーが目立っている。篠田市長の動きもそれだ」
米山辞職で急きょ実施される知事選だが、6月中に行われることがほぼ確実だ。前回の新潟市長選にも名前が挙がった海上保安庁の花角英世次長だが、知事選の最
有力候補と言っていい。篠田市長が同次長を訪ね、「是非知事選に」と要請したのは、「功名狙いの悪乗り」だったのか?…続きは本誌に