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2024年11月24日

県内高校・中等教育学校卒業生(平成29年3月卒)の全進路

2017年12月27日

大学入試センター試験も残すところあと3回。その後は新テストに移行する。そのセンター試験まで1ヵ月を切った。このテストの出来で受験校を決める高校生は多いことだろう。さて今号では、本誌恒例の「県内高校・中等教育学校卒業生」の全進路を、データ分析して詳報する。

 

その1点を削り出せ!

 

平成29年3月に卒業した高校生・中等教育学校生の大学進学率は、県公表ベースで46・3%。過去10年で2番目に低い数値となった。

 

今年の本誌5月号の大学合格者数特集、6月号の同進学者数特集においても指摘したが、今年度卒業生は大学入試において苦戦した。悪天候に見舞われ、電車が遅延し、試験開始時間が繰り下げられた。再試験を余儀なくされた者もいた。それ以上に現場を心配させたのは、前後の学年に比べ、学力の低い学年だったことだ。

 

中学時代の学力学習状況調査、いわゆる「学力テスト」でこの学年は、山と谷で言うなら谷だったのである。

 

県は毎年秋、本県の高校・中等教育学校(後期課程)卒業生の進路状況をまとめた「大学等進学状況調査報告書」を公表する。本稿の各種データもこれをもとにまとめ、分析をかけるわけだが、同報告書の数字を引っ張り出すと、いかに今年度が「谷」であったかがよく分かる。

 

卒業生数と各進学者数、大学等進学率を比較してみる(全日制課程のみ)。

 

【卒業生数】
平成28年度
▼ 1万9509人
平成29年度
▼ 1万9567人
【国公立大学】
平成28年度
▼ 2403人
平成29年度
▼ 2164人
【私立大学】
平成28年度
▼ 6088人
平成29年度
▼ 5987人
【大学等進学率】
平成28年度
▼47・7%

平成29年度
▼46・3%

 

卒業生数は昨年度より増えたが、大学進学者数は減。専門学校と予備校(浪人)、就職がそれぞれ増えたのが今年度の特徴だった。特に専門学校進学率は、ここ4年連続で減り続けたが、今年度は増加に転じた。

 

「一概には言えませんが、あまり偏差値の高くない大学にも例年なら受験した層が、早々に諦めた、もしくは最初から大学進学を考えず、専門学校や就職にシフトしていたと思われます」

 

とはある塾関係者。さらに続ける。

 

「本来なら難関大学を受験するような層が、ランクを落として受験した結果、その大学に本来なら合格してもいい層が落ち、浪人したとも考えられます」

 

 

言うまでもなく、入試は一発勝負。1点でも多く得点した者が合格を掴む。出題された分野の得手不得手、当日の天候やコンディションなど運不運はあろう。それでも、1点差で合否が決まる以上、言い訳にならない。

 

学力が低ければ他人以上に努力をする。1点を加点するために不得手をなくす。本番前の模試がどんなに悪くても、本番に1点でも余計に得点すれば合格できるのだ。

 

センター8割でも不安

 

大手予備校の東進ハイスクールが毎月発行している「トーシンタイムズ」の11 月1日号に、興味深いデータが掲載された(図①)。今年1月に行われたセンター試験の得点率と合否の相関をグラフ化したものだ。

 

図が小さいので解説を加える。棒グラフはセンター試験得点率、グラフ上の数字は合格率だ。6本の棒グラフは、いずれも右から得点率90%以上、同85〜89・9%、同80
〜84・9%、同75〜79・9%、同70〜74・9%、同70%未満となっている。

 

右2つのグラフは国公立大学で、左が「難関国立大」(旧7帝大、東京医科歯科大、東京工業大、一橋大、国公立大医学部)、右が「一般国公立大」(右記以外の国公立大学、医学部を除く)だ。左2つのグラフは私立大学で、左が「早慶」(早稲田大、慶応義塾大)、右は「有名私大」(上智大、東京理科大、明治大、青山学院大、立教大、法政大、中央大、関西学院大、関西大、同志社大、立命館大、日本大、東洋大、駒沢大、専修大、京都産業大、近畿大、甲南大、龍谷大)だ。

 

どの大学群でもきれいな階段状のグラフになっていることが分かる。つまり、センター試験の得点率が高いほど、どの大学群でも合格率が高かったという、当たり前の結果になったということだ。1点がいかに合否を左右するか、この説明だけでご理解いただけたはずだ。

 

難関国立大では得点率90%以上で合格率は73・4%。90%を割ると50%程度にまで下がる。早慶では特点率90%以上でも合格率は58・5%で、90%を割ると合格率は3割にも満たなかった。

 

センター試験の平均得点率をご存知だろうか。…続きは本誌に

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