『良好な口腔環境の 維持が歯を残す』
2017年11月27日
金子 広美 氏
■医師データ
日本歯科大学新潟生命歯学部卒。新潟大学大学院医歯学総合研究科博士課程修了。義歯診療科入局。まつみだい歯科診療所勤務。まつみだい歯科診療所アネックス古町院長。歯学博士。
虫歯ができて、歯科に行って、削って、詰め物をして、被せ物をして…。多くの人が抱く、歯科のイメージだ。しかし、劣悪な口腔環境下では、いくら治療してもまたすぐに悪いところが出てきて、治療の繰り返しという悪循環に陥るという。そこで今回は、予防歯科の観点から歯を守る方法を、まつみだい歯科診療所アネックス古町の金子広美院長に解説していただいた。
「歯を失う原因のほとんどは虫歯と歯周病です。では、なぜ虫歯や歯周病になるのかというと、歯がミュータンス菌などの虫歯菌に感染するからです。虫歯というの
は感染症の一種なんです。
感染症ということは、虫歯菌を徹底的に減らすことができれば虫歯のリスクを低減できることになります。
その第一歩が、自分の口腔環境や虫歯のリスクを知ることです。その有効な手立てが『だ液検査』です。当院では初診時に任意でだ液検査(3千円+ 税)をご案内していますが、ほぼ全員の患者さんが希望されます。だ液検査でわかることは自分のだ液の量、自分のだ液の力、虫歯菌の数の3つです。そこから得られたデータで、自分の虫歯のリスクが何%というように数値化されます。そのデータも細分化されており、自分にとって何が虫歯の大きなリスクになっているのかが、一目瞭然でわかります。
歯は一度削るともとには戻りません。極力歯を削らず、残していくためには、それぞれの患者さんの虫歯のリスクを把握し、できた虫歯を削るのではなく、虫歯を作らないという根本的な解決が必要になります。
すでに虫歯があるという患者さんは、虫歯になった原因が虫歯菌の数なのか、だ液なのか、磨き残しなのか、食生活なのかなどの原因を突き止めない限り、治療をしてもまた数年後には同じように虫歯になってしまいます。…続きは本誌に