─ 未入籍? “消えた花嫁”は今いずこに? ─
2017年11月27日
「娘を探してけじめをつけたい!」
1967年に米国で制作された青春映画「卒業」─。主演のダスティン・ホフマンが扮する大学院への進学を控えた青年が愛する女性を諦めることができず、彼女が結婚式で他の男と誓いの口づけをしようとしているところに駆け付け、花嫁の手を取って教会を飛び出すラストシーンはあまりにも有名です。
決して映画のようにドラマチックではありませんが、現実の世の中にも〝失踪した花嫁〟は少なからずいるようで、今回はそのお母さまからの調査依頼です。
調査依頼者の井出美津子さん(仮名)は近畿地方在住で、インターネット検索を通じて当調査事務所の存在を知ったといいます。
美津子さんは、相談日当日に私と面談していただくためだけに、はるばる空路で新潟までお越し下さいました。
「わざわざ新潟まで来ていただいて、手ぶらでお返しするわけにはいかない!」(私、所長)
私は、自身がいつも以上に緊張していることを自覚しました。
お会いした美津子さんの佇まいは、芸能人に例えますと岩下志麻さん。関西人のアクセントで、上品にお話しされる洗練された綺麗な方でありました。
美津子さんがいいます。
「娘の所在が分からないのです…。娘は結婚式を挙げたのですが、その後、入籍手続きの前に失踪してしまったのです」(美津子さん)
お話によりますと、娘の麗奈さんは28歳。お写真を拝見しましたところ、お母様の美津子さんと合わせ鏡のように綺麗な女性でありました。
麗奈さんはもともと新潟の学校で修学されていた時期があったそうです。結婚式を挙げた時期には関西地区で婚約者と同居をされていました。
美津子さんが続けます。
「娘がいなくなったことは、相手側よりお聞きするまでまったく知りませんでした。そして、娘の所在を突き止めようと努力したところ、最後の足取りが新潟市○○
△の○○ハイツということが分かりました。元旦早々に訪ねたところ、すでに空室になっていました…」
映画「卒業」のようにほかに好きな男性でもいたのでしょうか? それとも女性の多くが結婚(入籍)直前に「本当にこの人でいいのかしら?」とマリッジブルー
になるそうですから、ほかに好きな男性がいなかったとしても一方的に結婚を取り止める可能性がないとはいえません。
「結婚できないならできないで、お相手に娘本人がその気持ちを伝えなければなりません。どうであれ結婚式まで挙げたわけですから〝けじめ〟をつける必要があ
ります。そのためにもどうか娘を探し出していただきたいのです」(同)
したがって私は美津子さんにこう申し上げました。
「なんとかしたいと思います! 必要なお時間がかかる場合はご理解ください。できる限りのことをして、なんとかお嬢さんを探し出したいと思います!」(私、所長)…続きは本誌に