転ばぬ先の杖! 雇用調査・採用調査 “ねずみ講の女”編
2017年10月27日
調査対象者は12年間に”転職8回”
今回の事件ファイルは雇用調査および採用調査に関する事案です。雇用調査・採用調査とは、企業が人材の雇用や中途採用、または昇進や配置転換をする際にその人物の学歴詐称や経歴詐称はないのか、金銭的問題は抱えていないのか、会社に不利益や悪影響を与えることはないのかなど、それらの実情を履歴書の内容を基に前勤務先の勤務状況等を踏まえ内密に調べることをいいます。
企業がいったん人材を雇用した後、その人物が大きな問題を抱えていることが発覚したとしても法律上、簡単には解雇できません。このため採用前にその人物の本質をしっかりと把握しておくことが大変重要です。
今回の調査依頼者は三条市に本社を置く金属加工会社の人事担当者・S氏です。S氏は社長から特命を受けて当調査事務所のドアを叩いたといいます。同氏が社長から受けた特命とは、「ある社員の経歴や職歴に間違いがないかどうか、さらには人物像についても調べてほしい」というものです。
S氏が話します。
「実はうちの会社にそちらで調べていただきたい女性社員がおりまして…。名前は尾崎加世子(仮名)といい、年齢は30歳。かれこれ3カ月近く正社員として弊社に勤めているのですが…。
彼女は営業職です。仕事ができれば目を瞑れることも多々あるのでしょうが、仕事のスキルが入社3カ
月なりの一定レベルに達していないことから周囲の人間の足を引っ張ることが多々あり、会社としても頭を抱えているのです」 (S氏)
S氏が持参してきた尾崎加世子さんの履歴書を拝見したところ、高校を卒業して以降の12年間に勤め先を8回変えていることが記されていました。1社目になる新卒入社のところは5年続いていましたので、実質7年間で7回の転職を繰り返していることになります。履歴書上の経歴として、または履歴書で謳っている勤務先だけで…。…続きは本誌に