上越市長選 宮越馨元市長が出馬へ布石!?
2017年09月27日
降って湧いた解散・総選挙の余波で、当初予定の10月29日から同月22日投開票へ、1週間早めて調整する方向が示された上越市長選。これは波乱の予兆ではないか。未だ名乗りを挙げない宮越馨元市長だが、直江津地区で集会を開催。同地区の復興を描いたプランを披露した。既に子供年金や地域経営会社の創設といった政策を掲げている同元市長。これらは市長選出馬への布石なのか?
人口激減時代到来
9月10日、上越市の直江津学びの交流館で、分権社会政策研究所が「政策提言の会」を開催した。同会の代表は宮越馨元上越市長が務める。市内でこうした会合を持つのはこれで5回目だ。
宮越元市長は旧大蔵省で主計局主査などを歴任。その後、衆院選に3度出馬したものの、国政進出は果たせなかった。平成5年(1993)、上越市長選に出馬して初当選。同13年(2001)まで2期務め、同15年(2003)には県議選に出馬し初当選した。
宮越元市長が最も強調しているのが、「人口激減時代」の問題と、そこから脱却する施策の実現だ。
「上越市の人口は合併の時(平成17年)は20万人を超えていたんです。今は19万5千人。それが23年後の2040年には約2割、4万人減で15万6千人、さらに50年後は10万人くらいになる。
人口は財政にとっても重要で、市の財政を支えているのが地方交付税ですが、簡単に申し上げれば、交付税を計算する最も重要な要素が人口です。だから人口が2割減れば交付税も2割減ることになる」(宮越元市長)
こうした人口推計は既に明らかにされている。だが人口減少社会への有効な対策は打ち出されていないし、これまでと同様の行政が継続されようとしている。
「今の市政のあり方ですが、大きな建物をドンドンつくっていませんか。これらはたとえ地方に有利な合併特例債を使ったものでも、ほとんど借金です。借金は義務的経費ですから、強制的に返さなければいけない。さらに目に見えないですが、建物の管理費が大変なんです」(同)
現在の人口規模でならまだしも、こうした借金のつけを、上越市の場合なら、23年後には2割減の、半世紀後には半数の人口で負担することになる。財政規模は人口に比例して減少する。これでは自治体の経営が立ち行かなくなる。
政策選挙への布石
「人口激減時代」を乗り越えるには、子供を増やすしかない。その対応策として宮越馨元市長が提言しているのが、「子供年金制度」だ。支給対象は第2子以降で、子供1人当たり月額5万円を支給する。支給期間は義務教育終了時の15歳まで。婚外子も対象とし所得制限もない。
保育料の減免や待機児童の解消、あるいは婚活支援などだけでは足りない。子供を増やすためにどうするか? ネックとなっている経済的理由を解消するしかない。宮越元市長が提言する子供年金だが、現行の児童手当と同様に制度設計した場合、市の負担は6分の1程度で済むという。
自民党の小泉進次郎ら若手の国会議員が「少子化に対し無策では社会保障システムが崩壊する」と、幼児教育の無償化を目指す「こども保険」を提言している。彼らも宮越元市長の子供年金に注目しているという。…続きは本誌に