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2024年11月22日

第四・北越経営統合 真の狙いは”合法的な貸出金利引き上げ”!?

2017年07月27日

第四銀行と北越銀行の経営統合ならびに合併は本当に地元企業や利用者の利益につながるのか─。
無論、両行トップは異口同音に「地域経済の発展のため」と優等生然とした発言に終始しているが、識者からは「銀行の生き残りが最優先で域経済の発展は二の次」といった意見も聞かれる。要すに「統合・合併によるコスト削減効果はそれほど大きくなく、地元企業や利用者への利益還元には至らない」というのだ。その最も大きな要因が両行合併に伴う行員の給与問題だ。

 

収益改善の方法は4つ

 

今年4月、第四銀行と北越銀行が経営統合に向けて基本合意したことを受けて開かれた記者会見の席上、両行頭取はそれぞれ以下のようにその目的について語った。

 

「顧客が発展し県経済が発展すれば、結果としてわれわれも発展できる」(並木富士雄・第四銀行頭取)

 

「新潟県のためにというのが一番」(荒城哲・北越銀行頭取=当時、現会長)

 

要するに二人とも異口同音に「地域経済発展のための経営統合」と強調したのだった。

 

あるマスコミOBの指摘は的確かつ手厳しい。

 

「対外的なコメントのウラには口にできない本音が隠されていますからね。第四と北越は表向きは〝地域経済の発展のため〟と言っていますが、実際のところは金融界で生き残るためにはお互いが手を組むほかなかったのです。

 

現時点では両行ともに黒字を確保していますが、近い将来は厳しい決算となるのが必至です。最大の理由が少子化に伴う貸出金残高の減少で、たとえば銀行にとって大きな収益源の住宅ローンが今後ますます縮小します。今から20年前の1997年度の新設住宅着工戸数は134万1千戸でしたが、2016年度は97万4千戸と3割近くも減っています。

 

また県内企業の約6割が後継者不在となっていますが、団塊世代が引退時期を迎えていることから後継者がいないことを理由に廃業する会社が今後増えてくるものと予想され、こちらも銀行の貸出金残高の減少につながるのは必至です」(元経済誌記者)

 

銀行経営はもはや縮小するばかりなのか?

 

ある金融関係者は「銀行経営において収益改善を図る方法は極めてシンプルです」と前置きして、以下の4項目を挙げる。

 

⃝貸出金量を増やして金利収入を増やす
⃝預金金利を引き下げて支払い利息を減らす
⃝貸出金利を引き上げて金利収入を増やす
⃝経費を削減する

 

この関係者が具体的に解説する。

 

「貸出金量を増やすためには当然ながらその原資となる預金量を増やさなければなりませんが、少子化に伴う人口減少が進む環境下で預金量の自然増は望めません。営業努力らね」 (同)

 

ただし、この貸出金利の引き上げは仮に実現しようものなら銀行の業績が劇的に向上するという。

 

「北越銀行の貸出金残高は約1兆5千億円です。貸出金利を仮に一律0.1%引き上げることができたとしましょう。すると年間15億円の利益を捻出することができます。

第四銀行の貸出金残高は約3兆円ですから、貸出金利を一律0.1%引き上げれば30億円の利益が転がり込んでくるのです。両行ともに現状の経常利益に15%超も利益を上乗せできるとあって、貸出金利の引き上げは銀行にとって非常に魅力的なわけですよ」(同)

 

これを踏まえて、第四と北越の両方と取引をしている会社社長が両行の経営統合計画の真の狙いに言及する…続きは本誌に

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