県内高校・中等教育学校 大学進学者数総覧!
2017年05月27日
「訂正 本誌148ページ表に次の誤りがありましたので訂正いたします。
東京学館新潟高校の「大東亜帝国他」の合格者数9は63、進学者数4は37です。
同じく「関関同立」の合格者数63は0(ゼロ)、進学者数37は0(ゼロ)です」
なぜ大学受験をするのか。なぜ大学に進学したいと考えたのか。大学短大等進学率が全国平均50%超の時代にあっても、この問いに躊躇なく答えられる中高生は多くないはずだ。本誌の特集が、答えを導く手立てになれば幸いだ。
進学者数だから分かる本県高校・中等教育学校の実力
受け身な子ほど不安になる!?
医者になりたい。先生になりたい。家業を継ぐため経営学を学びたい。
「大学に進学したい理由は?」と聞かれて、躊躇なく答える中高生は少なくないだろう。それ以上に多いのは、少し考えて、それでもなお明確な理由になっていない回答をする中高生のはずだ。
そもそも明確に「これをやりたい」、「30歳のときはこんな自分でありたい」などと考えている中高生は、学校でそれを聞く課題が与えられない限り、イメージなどしないだろう。
むしろ、進路のことを考えると「不安になる」高校生が多いという調査結果がある。
社団法人全国高等学校PTA連合会とリクルートマーケティングパートナーズが合同調査をした「第7回『高校生と保護者の進路に関する意識調査』(2015年)」がそれだ。
高校生に「進路を考える時の気持ち」を聞いた結果、72%が「不安」感を抱いており、22%の「楽しい」を大きく上回っている。不安な気持ちを抱くのは、「大学・短大進学希望者」ほど多い。
進路という将来を考えると不安になるという高校生は、「進路についての価値観」をどう考えているのか。トップ3は、「役に立つ資格を身に付けたい」、「収入や雇用が安定している仕事をしたい」、「手に職をつけて仕事をしたい」と、仕事に関する項目が占めた。「学費の安い大学に行きたい」、「難易度の高い大学に行きたい」といった進学に関わる選択肢も多く用意されていたが、進学よりも仕事のことを考えている高校生が実に多い。
ところが、である。やや古い調査ではあるが、大学1年生に職業を意識した時期を聞いたところ、約31%が高等学校卒業以前に職業を意識したことがないと答えたのである。逆に言えば、3割の大学1年生が、大学生になって初めて職業を意識した、もしくはまだ意識していないわけだ(ベネッセ教育開発センター「平成17年度経済産業省委託調査『進路選択に関する振返り調査』─大学生を対象として─」)。
どういう学生が職業を意識した時期が遅くなるのか。「大学への進学理由」を聞いた回答とクロス調査すると、「すぐに社会に出るのが不安」、「自由な時間を得たい」、「周囲の人がみな行く」から「大学に進学した」と消極的な回答をした学生ほど、遅いという結果だった。「将来の仕事に役立つ勉強がしたい」、「専門的な研究をしたい」、「幅広い教養を身につけたい」から大学に進学したと積極的な回答をした大学生は、高校までに将来の職業を意識している割合が高かったのである。
これら調査結果から、「進路に不安を持つ高校生は、将来のことをよく考えていない」ということが、ザックリではあるが、言えるのではなかろうか。
「キャリア教育が中高生にも行われている。だが、進路や職業について明確なビジョンを描ける中高生が多いとは言えない。感覚的なことを言ってしまうが、学ぶ姿勢が受け身な子ほど、不安になり、明確な将来を描けていないように見える」 (大学関係者)
なぜ大学に進学したいのか。積極的な理由を見出しておいた方が良さそうだ。30歳、40歳、50歳の自分を描き、そこから逆算してみると、あれを学び、こんな仕事に就けば…という道筋が見えるはずだ。
国公立大学辞退率は1割強
では、今春大学入試における、本県高等学校・中等教育学校の進学者数を見ていこう。…続きは本誌に