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2024年11月21日

『白内障について』

2017年05月27日

p173ishi笹川眼科院長

笹川 智幸 氏

 

■医師データ
新潟大学医学部卒。秋田赤十字病院、佐渡総合病院、京都府立医科大学助手、南部郷総合病院、新潟大学医歯学総合病院助手などを経て平成18年に開業。眼科専門医。

 

 

 

近年、最も進歩が著しい治療の一つとして挙げられる白内障の手術。術後のQOL(生活の質)の向上はもちろん、手術の安全性も極めて高い。今回は白内障の手術から、日進月歩する眼内レンズについて6月号と7月号の2回にわたって取り上げる。解説は笹川眼科の笹川智幸院長にお願いした。

 

「目をカメラにたとえるとレンズにあたる部分は水晶体と呼ばれます。水晶体は加齢に伴い黄白色っぽく濁っていきます。これを白内障と言い、白内障が進むとフィルターがかかったような霞んだ見え方になってしまいます。白内障の原因で最も多いのはこの加齢に伴う老人性白内障です。60歳代で70%、70歳代で90%、80歳以上になるとほぼ1 00%の人に白内障による視力低下が認められます。

 

老人性白内障は老化によるものなので、完全に予防することは難しいです。ビタミンなどのサプリメントで明らかな効果が認められたものもありません。

 

紫外線が悪影響を及ぼすのでサングラスや保護眼鏡で目を守ることは有効です。また糖尿病など他の病気が原因となることもあるため健康を維持することも大事です。

 

初期の症状としては視力低下よりも『昼間のまぶしさ』、『夜間のライトがにじんで見える』、『買ったばかりの眼鏡の度が変わった』などで気づかれる方が多いです。思い当たる場合は専門医の診察を受けて、適切なアドバイスを受けるようにしてください。

 

治療ですが、ごく初期の白内障は点眼薬で進行を遅らせることができる場合もあります。しかし濁った水晶体を元に戻すことはできません。進行した白内障に対しては、水晶体を取り除き、代わりに眼内レンズを挿入する手術が一般的に行われます。

 

白内障手術は近代の眼科で最も素晴らしい進歩であり、本邦では年間100万件以上の手術がなされ大変良い成績を収めています。

 

多くの患者さんでは…続きは本誌に

 

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