そんなバカな! 北陸新幹線上越妙高駅周辺が果樹園になる
2017年04月27日
北陸新幹線・上越妙高駅の周辺は未だ利用されていない空き地が目立つ。その空き地が果樹栽培の農地に変貌しつつある。そこここに梅や柿、はたまた栗などの苗木が植えられ、大切に育てられている。お役所も「きちんと施肥や水やり、害虫駆除などが行われ、総合的に管理されている」とお墨付きを与えている。これ、ウソのようだけど本当の話です。
金沢の芝はゴールド
3月14日、北陸新幹線(金沢-長野駅間)は開業2周年を迎えた。その運行ダイヤが発表されたのは3年前の夏のこと。県内の駅に速達タイプの「かがやき」が1本も停車しないことが判明した。予期したことだが、本県にとってそのショックはすこぶる大きかった。
事情は今も変わらない。3年前と同様に、次のような愚痴めいた話が聞こえる。「北陸新幹線は高崎-上越妙高がJR東日本、上越妙高-金沢がJR西日本。それなのに運転手や車掌など乗務員は上越妙高ではなく長野で交代する。これは上越妙高にかがやきが停まらないからだ。全列車を上越妙高に停車させて然るべきだ」。
北陸新幹線の開業で俄然注目されたのが金沢だった。その活況ぶりを、新潟は指をくわえて眺めるしかなかった〝陸〟が勢いづくと、〝海〟まで賑わうらしい。昨年、金沢港へのクルーズ船寄港回数は前年の5割増しで30回。今年はその1・7倍で50回を超える勢いだという。
新幹線効果は如実で、石川県の谷本正憲知事の鼻息もずいぶんと荒いらしい。港湾整備も急ピッチで、昨年は金沢港で国際物流ターミナルの拡張部分が完成。今年3月には、増大するクルーズ船の受け入れと、緊急物資の輸送拠点を確保すための岸壁工事が始まった。
一方の新潟だが、船で話題になるのは、日本海横断航路の船購入で韓国企業から〝ボロ船〟をつかまされたといったことばかり。あまり知られていないが、新潟のクルーズ船寄港回数は、何と国内最低レベルだ。
「隣の芝生は青い」という。金箔で知られる金沢の芝生はゴールドに輝くのでは? と思いたくなる。
駅東、左が駅西だ。空き地に苗木が植えられているのは、造成が比較的進んだ駅西エリアだけのようだ。こちら側からは妙高山系を望むことができる。風光明媚な駅西エリアでは、梅林をはじめ各種の果樹に囲まれるように、前述のホテル東横インや温浴施設、商業テナントビルが立ち並ぶことになるのか…? 何となくポエムっぽい。
「あの苗木は税金対策。果樹の苗木を植えると農地並みの課税になるわけだ」(前出のゼネコンOB)
苗木を植えて税金が安くなるなら、東京の都心部は果樹だらけになるはずだが、本当なのか?
「昔からよくある手法です」(新潟市の開発業者)
実際に駅西エリアで空き地になっている宅地の所有者は、ほぼ以下のように解説してくれた。…続きは本誌に