モメる市議会 高まるクーデターの期待!
2017年02月27日
いよいよ花粉症の季節到来だ。新潟市議会にも2年に1度めぐってくる季節性の持病がある。人呼んで「議長選症候群」という。このたび新会派の取り扱いをめぐり、早くも兆候が表れ始めた。この病気に特効薬はない。会派再編のクーデターといった荒療治でしか完治しそうもない。
一人、置いてけぼり
4人会派だった市民連合の”分裂”が騒動の発端だ。新潟市議会にあって市民連合は旧社会党の時代から続く伝統の会派だった。分裂というと「A派とB派に別れた」というイメージだが、今回のケースはやや違う。
4人の中で青木学(中央区)、竹内功(西蒲区)、石附幸子(西区)の3人が出て行き、小泉仲之(東区)が1人置き去りにされた格好だ。何だか家族に出て行かれた父親みたい。
「以前からわだかまりはあったんだ。去年の11月頃だったか、人事の関連が分裂の発火点になったようだ」(保守系の市議)
出て行った3人は、新しく「市民ネットにいがた」(青木学代表)を立ち上げた。ここから先、議会の世界の話になるのでややこしくなる。議会基本条例には、会派についてこうある。〈議員は、基本的な理念を共有する議員をもって会派を結成することができます〉。
基本条例に人数の規定もないから「市民ネットにいがた」も新市民クラブ(11人)や保守市民クラブ(11人)、あるいは日本共産党新潟市議団(6人)や新潟市公明党(4人)などと同様、議会内の会派であることに違いない。
「3人でも会派は構成でききます。政務活動費の支給についても問題はない。ここまでは全会一致で認めるところです」(非保守系の市議)
問題はここから先だ。
「会派としての交渉権、すなわち議会運営委員会(議運)に参加し交渉する権利については、原則4人以上の会派とされています」 (同)
したがって3人の「市民ネット」には会派としての交渉権がないことになる。だが、かつて「特例」として3人の会派に交渉権を認めたことがあったため、「認める」、「認めない」で議会を二分する騒動に発展することになった。
無所属の特等席へ
「3人で構成する市民ネットは交渉権がなく、その意味で正式な会派ではない」と解釈することもできる。こうなると、市民連合を出て行った3人も、置き去りにされた小泉仲之議員も無所属になってしまう。
分裂騒ぎの時点で無所属の議員は以下の4人だった。青野寛一(秋葉区)、中山均(西区)、深谷成信(中央区)、小野清一郎(南区)。この4人の「会派に属さない議員」らは、議会の
控室として一部屋をあてがわれている。言ってみれば大部屋だ。
分裂した市民連合の4人が無所属扱いになれば、この大部屋送りとなってしまう。すると無所属の議員が8人にもなって、とても大部屋に入りきれない。無所属の議員らにしてみれば、会派分裂とその取り扱いをめぐる騒動のとばっちりで、いい迷惑だった。
では市民連合に属した4人の割り振りをどうするか?
市民連合時代は一つの部屋をあてがわれていた。分裂といっても3人が出て行ったのだから。残った小泉仲之議員が一人で使うという考え方もできた。あるいは一つの部屋を3対1に間仕切りして使うという手法も検討された。結局は無所属となった小泉仲之議員が、しぶしぶ大部屋の仲間入りをすることになったという。…続きは本誌に