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2024年11月21日

劇的な街の発展がきたされる新潟中央環状道路整備計画

2017年01月27日

目下、新潟市中心部で工事が進行中の首都高速並みともいわれる「万代島ルート線」のような派手さはないが、それと並行して新潟を劇的に発展させる道路の整備計画が着々と進められている。「新潟中央環状道路」がそれだ。この道路は鉄道にたとえれば首都圏を縦横無尽に走る電車の乗り継ぎを都心環状路線によって連絡する山手線と同様の役割を担うことから、「新潟山手ウエー計画」との呼び声が高い。同時に高確率で懸念される東京直下型地震の発生時、新潟が東京のバックアップ機能を担うための重要な道路とも位置付けられている。

 

5年後に新潟は様変わりする

 

新潟中央環状道路は新潟市北区島見町と同市西蒲区角田浜を、結ぶ全長約45キロの道路のことをいう。このうち北区エリアや江南区エリア、西区エリアの一部区間である15キロはすでに供用済み。このほか事業中区間が約18.8キロ、もともとあってそのまま活用できる現道区間が約7.5キロ、まだ事業化には至っていない構想区間が約4キロという内訳だ。

 

市のパンフレットによると、起点が北区島見町で終点が西蒲区角田浜となっているが、それよりも新潟東港と角田浜を結ぶルートといったほうがイメージしやすいだろう。

 

p48

かつてこのルートは新潟大外環状線と呼ばれていた。しかし現在は新潟中央環状線ないし新潟中央環状道路と呼ばれている。これには当然ながら理由があるはずだ。まずはそのあたりから取材しようと思い、記者は国交省北陸地方整備局に取材要請した。これだけの大掛かりな道路整備である、当然ながら国が関与していると考えたのだ。

 

しかし同整備局は以下のように話す。

「お尋ねの中央環状道路の件ですが、整備局サイドとしては社会資本整備交付金(補助金と同義)を市の要望に対応して配分しているという立場ですので、計画や事業進捗等じゃ事業主体の新潟市が窓口ということになります」

 

そこで記者は事業主体である新潟市の道路計画課に取材を申し込み、まずは新潟大外環状線が新潟中央環状線へと改名された理由について尋ねた。答えは以下のとおり。

「新潟大外環状線という名称は新潟市の市町村合併が行われる以前の呼び名です。合併前は県が事業主体となって計画を進めていましたが、新潟市が政令市になったのを機に事業主体となるとともに、名称も新潟中央環状線に変更されたのです。

 

合併前の旧新潟市の時代には道路が市のエリア外に位置することから大外環状線と呼ばれていましたが、合併に伴い市域が広くなり道路が市内を横断する位置関係となったた、新潟中央環状線と改名されたのです。」(新潟市道路計画課)

 

新潟中央環状道路の整備計画自体は昭和57年に策定され、県が阿賀野川に架かる大阿賀橋(平成9年完成)を起点に事業着手したのが始まりだという。全長45㌔のうち、大方の部分は新たに用地買収するなどして整備が進められており、平成23年には国道49号から国道8号までの整備が都市計画決定、その時点で全体ルートが確定した。具体的には新潟市江南区横越を起点とするルートだ

 

事業完了の時期や予算について新潟市当局が説明する。

「平成34年度に暫定2車線で供用開始となるよう目指しています。事業費は現在着手している区間の費用ベースで約400億円を見込んでいます」 (同)

 

約5年後に新潟東港と新潟市西区赤塚間の直通ルートが誕生するというわけだが、これにより車での移動が格段に便利になるという。市のシミュレーションによると、たとえば風光明媚な福島潟(北区)とファミリーに人気の公園がある上堰潟(西蒲区)間を車で移動する際の所要時間は現状約72分だが、全線供用完了により45にまで時間短縮されるという。…続きは本誌に

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