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2024年11月24日

県内板金業界大手(柏崎市)が国の助成金を不正受給

2016年11月28日

柏崎市に本社を置く伊平板金工業所は県内板金業界の中でも大手であり、伊平雅夫社長は県板金工業組合の理事長を務めている。その同社が国の助成金を不正受給していた事実が発覚。本誌が不正を指摘したところ同社は全面否定してきたが、何ら反省の色がないのであれば本誌としては証拠を突き付けて県板金工業組合の理事長職を辞任するよう強く求める次第だ。

 

余裕の無借金会社が国の助成金を不正受給

 

一口に板金業者といっても、大きなところもあれば小さなところもある。本誌がこれから不正を追及する柏崎市の伊平板金工業所は県内板金業界の中でも、最有力の企業として知られている。まずは会社の規模から紹介しよう。

 

民間信用調査機関のリポートによると、2016年4月期決算での売上高は4億4千万円余りで、当期利益は950万円超に上る。

 

2期前の2014年3月期決算に遡ると、売上高はほぼ同等なものの当期利益については3千万円超を計上。なかなかの高収益企業なのだ。

 

ある業界関係者が話す。

「あの会社は業績好調もさることながら、金融機関からの借入金がゼロなのです、いわゆる無借金経営ね。銀行や信組、信金にあるのは定期預金のみとは羨ましいかぎり」  (板金業者社長)

 

信用調査機関の先のリポートによると、2016年4月現在の定期預金は3800万円超と記載されている。

 

別の業界関係者が会社の主業務や社長の経歴に言及する。「伊平板金は受注案件のほとんどが住宅関連です。金属製屋根の工事やサイディングによる外装工事、リフォームなども手掛けています。社長の伊平雅夫さんは二代目で年齢は62歳。

 

柏崎工業高校を卒後、他社への就職を経て家業の伊平板金に入社。平成4年に社長に就任し現在に至ります。

 

非常に弁の立つ男で、3年前から県板金工業組合の理事長を務めていることもあって業界関係者で知らない者はいませんよ」(別の板金業者社長)

 

p54

まさに業績絶好調の伊平板金であり、公私ともに充実した伊平社長といったところか。しかし好事魔多しであり、今回はいうなれば「振り向けば財界にいがた記者」といった絵に描いたような不運が会社と社長を待ち受けていたのだった。

 

ではズバリ申し上げる、伊記者が複数の関係方面に取材したところ、伊平板金による助成金の不正受給は2年以上の長期にわたって行われて平板金工業所は会社ぐるみで国の助成金を騙し取っていたのだ。一連の不正事実は新潟労働局も把握済みであり、当局からの厳しい監督指導が求められる。

 

では伊平板金の会社ぐるみによる助成金騙し取りとはいかなる内容なのか?

 

関係筋が端的に話す。

「企業が従業員を休業させた際にその分を国が補償するという制度があります。伊平板金はこの休業補償制度を悪用し、実際には従業員が働いているのに休業していると偽って助成金の支給を申請、不正受給におよんだのです」(内部事情に詳しい某氏)

 

カネの管理が杜撰で「金庫のカネがなくなった!」

 

記者が複数の関係方面に取材したところ、伊平板金による助成金の不正受給は2年以上の長期にわたって行われていたことが判明した。

 

会社の内部事情に詳しい人物は以下のように証言する。

 

「不正受給の期間は平成21年から23年にかけてのようです。その当時、ハローワークが伊平板金の社内に2種類の労働カレンダーが存在することを察知しましてね。

 

具体的には従業員がちゃんと出勤していることが記されている正規の労働カレンダーと、本当は出勤しているのに休業していたように装ったウソの労働カレンダーですよ。

 

ハローワークから説明を求められた伊平社長は顛末書に“すべて経理担当の女性事務員が勝手にやったこと”と記したといいますから、呆れるほかありません」   (某氏)

 

…続きは本誌に

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