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2024年11月21日

県内パチンコ業界を襲う逆風の正体

2016年11月28日

県内の一部パチンコ店が閉店しているのをご存知だろうか?パチンコ業界はこの年末を期限にした未曾有の機器回収が進行中だ。回収された分はそのままにできない。台の入れ替えには億単位の投資が必要とされる。弱小店舗、あるいは収益率の低い店舗は閉店、廃業を余儀なくされかねないという。

 

総計72万台、全体の25%

 

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写真は「パチンコN-1新津店」…、正確に言えば同店があった場所だ。11月下旬現在で、既に更地状態だ。このパチンコチェーンでは、村上市内にある店舗も閉店したという。業績は好調に見えるこのパチンコチェーンに不測の事態が発生したのか?

 

知人にパチンコホールの経営者がいるという、新潟市内の会社社長がいう。

「パチンコ業界ではパチン台の回収を余儀なくされている。いわゆる射幸心を煽るという台だ。台はホール側が不正に改造したものではない。メーカーが作ったもので、回収の責任はメーカー側にあるのに”ホールもその台で儲けていたのだから”という理屈で、実質的にホール側が自主回収する恰好だとか。ホールの経営者はずいぶん憤っていた」

 

パチンコ関連の業界誌等によれば、おおよそ以下のようだ。回収を求められているパチン台は総計72万台。これは設置されているパチンコ機の25%にもあたるもので、極めて大規模な機器回収が進行中だ。

 

業界団体では「年内に撤去を完了させる」としている。回収の原因だが、パチンコ機が各店舗に納品される前に、製造販売するメーカーによって不正な性能の変更が行われたことが発端だという。メーカー側の不正な性能変更に起因する回収だが、「パチンコ店に対し、メーカー側は撤去後に必要となる入替機代の補償はしない」という。

 

自動車部品のリコールをユーザーが行わねばならないような不条理なものだ。それが軽微な費用ならまだいい。パチンコ店側にとって想定外の膨大な負担が発生することは否めず、財務基盤の弱い店舗にとっては死活問題となりかねないという。

 

パチンコ機の25%が入れ替わることから、パチンコ店からの「客離れ」、あるいは「パチンコ離れ」も懸念され、パチンコ店舗数のさらなる落ち込みを憂慮する声も聞かれる。

 

20年ぶりと言われる今回の大規模な機器回収だが、県内の業界に与える影響も相当のようだ。写真の「パチンコN-1新津店」の閉店も今回の台回収と無縁ではなさそうだ。

 

前出の社長はこう言う。

 

「新津店は規模が中途半端だったこともあり、収益を考えてこの際閉店したのだろう。場所は交差点の角地だから、土地の活用は何とでもなるわけだし」

 

とばっちりのパチンコ業界

 

今回のパチンコ台回収への対応につついて、県内のあるパチンコチェーンは以下のような回答を寄せた。

 

〈回収対象の遊技機については、計画に沿って本年年末までに全て撤去を行う〉

 

大規模な機器回収の影響については以下のよう。

 

〈今回の回収対象遊技機の撤去においては、基本的にはすべての営業店舗が撤去すると思われるが、その入れ替えにおける財務負担において、億単位の負担となっており、撤去におけるメーカー補償もない状態においては、財務基盤の弱い店舗は廃業に追い込まれるであろう。…続きは本誌に

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