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2024年11月23日

亀田製菓会長激白! 「10年後、亀田製菓は淘汰される」

2016年11月28日

p22直近の連結売上高973億円、同経常利益62億円。V字回復を成し遂げた米菓業界最大手の亀田製菓(新潟市江南区)が、ある危機感から10年後を見据えたプロジェクトチームを立ち上げた。 新潟県が誇る巨大企業でさえ危機感を抱く混迷の時代。市場ニーズ、嗜好の変遷が読み切れない時代にあって、田中通泰会長CEOに同社の未来予測を聞いた(聞き手・本誌編集長、瀬戸田鎮郎)。

 

 

百のうち生き残る商品は3つ

 

瀬戸田

新潟県の米菓企業である亀田製菓、三幸製菓、岩塚製菓、栗山米菓、越後製菓…すべて好業績を上げております。極めて特異なケースだと思うのですが、その要因は奈辺にあると思いますか。

 

田中会長CEO(以下、田中)

米菓市場は全体で2,500億円。お菓子全体の市場が約2兆5,000億円ですので、米菓は1割を占めていることになります。県内には弊社、三幸、岩塚、栗山、越後、ブルボンなどが大所。この6社の売上高が米菓全体の7割を占めます。

 

なぜ6社でそれだけ占めるのか、なぜ強いのかと聞かれると、うちの成長と同じですが、1つはいち早く機械化したことです。大量生産に備えて設備投資をしてきたことです。いま1つは、営業を全国対応するため、地域から輪を広げていったことでしょう。この2点を、新潟県の米菓企業はやってきました。

 

瀬戸田

全国に米菓企業は何社ありますか。

 

田中

全国に400社弱あり、県内は16社です。

 

瀬戸田

そのうち新潟の上位6社で全国の売上の7割を占めているわけですね?

 

田中

ええ。いち早く近代化に取り組むことができたのは、県の食品研究所の力が大きかったと思います。

 

瀬戸田

その各社は既に食品研究所を乗り越えて、独自の商品開発、技術革新に取り組んでいるところが県内米菓企業の底力といえますね。

 

田中

そうなのですが、いまは米菓そのものが、新しいヒット商品をなかなか開発できなくなっています。手詰まりというか、踊り場に達しちゃっている。踊り場を突き抜けられるような新しい米菓を生み出せない。製法一つとっても、新しいものを生み出せなくなっています。

 

瀬戸田

御社の商品を売上順に5つ挙げますと?

 

田中

亀田の柿の種、ハッピーターン、亀田のまがりせんべい、手塩屋、ぽたぽた焼が売上順です。

 

瀬戸田

亀田のまがりせんべいが3位ですか。かつて役員会で、こんなの売れるわけがないとの意見がすべてだった。ところが予想に反して売れちゃった(笑)。ヒット商品を当てるのはそれほど難しい。結局ヒット商品が出るのは、千に1つ、つまり千種類作って1つヒットすればいいくらいですか?

 

田中

弊社では月に250種の商品を作っています。そのうち年間で約100種類の新商品を市場に出します。次年度以降に残るのはそのうち2つないし3つ。それくらいほとんどの商品が長続きしません。

 

ヒットが出ない

 

瀬戸田

御社のヒット商品における特徴、共通点を挙げるとすれば。

 

田中

弊社は既存商品に依存している割合が高いです。例えば亀田の柿の種が50年、ハッピーターンが40年、亀田のまがりせんべいは約30年。人気上位は四半世紀から半世紀経っているわけです。

 

瀬戸田

三幸製菓の前社長が以前、こう仰っていました。…続きは本誌に

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