臨時総会で理事解任 県宅建協会のまだある課題
2016年10月27日
9月29日、県宅建協会は臨時総会を開催し、長岡支部選出の理事3人を解任する議案等を可決した。理事の解任とは、「何か不祥事か…？」と勘繰りたくなる。
だがそれより、毅然として理事を解任した同協会のガバナンス（統治）能力、そして自浄能力こそ注目だ。これぞ公益社団法人たる証しというものだろう。
公益法人に「行方不明の金」
公益社団法人新潟県宅地建物取引業協会（県宅建協会）が第50回となる定時総会を開催したのは5月26日のこと。記念すべき50回の総会だが、例年と同じ会場、同じ時期に開催された。
だがその内容はここ数年の大会と大きく違っていた。それは監事の報告で明らかにされた。どこの団体でもそうだが、「監査報告書」は議案と共に印刷され、総会前に会員のもとに配布される。その文面にこうあった。〈事業報告の内容は真実であると認める〉、〈（各種会計書類は）本会の収支状況及び財産状況を正しく表示しているものと認める〉、〈（理事の業務執行については）法令及び定款に適合しているものと認める〉。定時総会では代表幹事がこの内容を読み上げた。その内容からすれば、県宅建協会の会計や運営に不都合はないはずだった。
問題はここから先で、代表監事（当時）はこう言った。
「ただこの時点（昨年12月と今年4月の監査時）で監査した時は正確だったが、その後に多少の疑義が出て現在精査中だ。できれば次の監事、あるいは執行部に委ねたい」
異例の発言だった。5月の定時総会で代表監事に続いて発言したのが長岡支部の会員だった。その内容は以下。この会員は協会の財産目録について言及した。
「支部の財産目録と県本部の財産目録は一致していなければいけない。県本部の財産目録にある敷金預り金300万円、特定資産の1千万円は確かに長岡支部の財産目録と一致します。
しかし現金と第四銀行の普通預金とのトータルの金額、435万5千771円については県の財産目録に載っていないようです。これはいったいどうしたことなのか？
実はこれについて（監事に）調査を依頼いたしました。どうしてこうなったのか？ （県本部の財産目録に記載されていない金は）どこにあるのか？ 代表監事に
お答えいただきたい」
公益法人である県宅建協会に、「行方不明の金」があるという。
「背任罪に該当…」
5月の定時総会で代表監事が続けた。県宅建協会長岡支部には、行方不明の金とは別の問題もあった。…続きは本誌に
