『脳ドックのススメ』
2016年10月27日
■医師データ
昭和59年、埼玉医科大学卒。同年、山形大学脳神経外科入局。平成13年、東ニイガタ友愛クリニック開業。平成20年、分院となる脳ドック専門のペイシアガーデンクリニックを開院。
日本人の死因の第3位を占める脳卒中。重篤な後遺症が残るケースも多いので、予防の概念が重要だ。そこで今回は、近年注目度が高まっている脳ドックを取り上げる。解説は東ニイガタ友愛クリニックの瀬尾弘志院長にお願いした。
「わが国の脳ドックは、1988年に北海道から始まって、全国に広がっていきました。当初の目的は、くも膜下出血の撲滅でした。
現在、脳ドックの大きな柱は2本あります。脳卒中の予防と認知症の予防です。この2本の柱の中でも主要な柱といえるのが脳卒中の予防で、まずはこちらからお話しします。
脳卒中には脳の血管が詰まる脳梗塞と、脳の血管が破れる脳出血があります。これらを予防するために脳ドックがあるわけですが、具体的にどのようなことを行うかというと、大きく分けて3段階あります。
まずは脳卒中を起こす危険因子の確認です。脳卒中の危険因子は高血圧、高脂血症、動脈硬化、糖尿病、喫煙、肥満、ストレスなどがあり、4つ以上あてはまると脳卒中のリスクは32倍にまで跳ね上がるといわれています。ですから、この危険因子を除去することに努めるよう指導いたします。
次に、実際に動脈硬化がどれくらい進んでいるかを調べる、頸動脈エコー検査を行います。程度にもよりますが、生活習慣の改善で回復が見込めるのであれば、危険因子の除去に努めるよう指導します。場合によっては、薬物治療を始めるケースもあります。…続きは本誌に