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2024年11月21日

─ 実際には地味で過酷な“ホンモノの探偵”のお仕事 ─

2016年09月27日

探偵稼業は超高感度カメラが必需品

 

本連載では私たち調査員が過去に実際に手掛けた事件を紹介していますが、今回は少し趣向を変えて調査業のウラ話を披露したいと思います。テレビドラマや映画に登場する探偵とは少々違うかもしれませんが、地味で過酷な”ホンモノの探偵稼業”の一端を垣間見ていただければ幸いです。

 

探偵ツールの代表格といえば、なんといってもカメラではないでしょうか。たとえば不倫カップルがホテルに出入りするところを撮影するためには一瞬のチャンスをモノにしなければなりません。

 

しかも不倫カップルは昼夜を問わず密会しますので、夜の撮影となるとそれなりの準備が不可欠です。ホテルから深夜出てくる男女を撮影する際にフラッシュを焚くわけにもいきませんから、ネオンの光だけを頼りに撮影したのでは暗くて顔の判別ができない映像となる懸念があります。

 

このため私たち調査員が常備しているのが超高感度カメラです。たとえばそのひとつがスパイダーズXという、いかにも怪しげなネーミングのメーカーが製造している撮影機能付き第2・5世代相当デジタル暗視スコープ「PR─813」。

 

このカメラは最大350メートル先まで赤外線を照射できるスグレモノで、それでいて被写体が比較的近くても赤外線の赤い光がほとんど感じられないため、調査ターゲットに気付かれないというメリットがあります。

 

夜空の星を綺麗に撮影するのであればニコンやキャノンの高級カメラにかないませんが、暗視動画を撮影するとなればスパイダーズXが上位候補であり有力な選択肢となります!

 

実際に暗闇の中で10メートル離れた人物を撮影すると、肉眼ではほとんど判別不能な顔を表情まで鮮明に捉えることができます。レンズの倍率が6倍なのは少々物足りない感じもしますが、手ブレなども考慮するとこのあたりが限界なのでしょう。値段も手頃であり使用方法がハードである私たちにとって、このカメラは非常に重宝しています。

 

“ホンモノの探偵”は草刈りに一生懸命

 

読者のみなさんにクイズを出します〝ホンモノの探偵〟はしばしば草刈りをします。なぜでしょうか? ヒントは「撮影の際に草刈りをします」─。

 

お分かりになりましたか?

答えは撮影するにあたって草が邪魔になるからです。これは写真撮影を趣味にしている人ですとお分かりになるかも?しれません。

 

私たち調査員は望遠レンズを使って遠くから撮影することが多いのですが、高倍率になればなるほど現場に生えている背の高い雑草をレンズが拾ってしまい、被写体にピントを合わせるのが難しくなってしまうのです。また雑草自体のせいで撮影希望地点が死角になってしまう場合もあります。

 

そこで私たちはファインダーを覗いて「あの雑草が邪魔だな…」と思うと、草刈りを開始します。ちょっとした雑草ですと簡単に引っこ抜くことができますが、中にはツワモノもいます。太くて硬い茎やツルを持った雑草にはハサミやニッパを持って立ち向かうような塩梅です。…続きは本誌に

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