JR東は否定せず! 上越新幹線・新潟空港乗り入れ構想
2016年08月27日
本誌は7・8月号の2号にわたり、有識者による座談会、群馬県会の待望論などを盛り込みながら、上越新幹線の新潟空港乗り入れ早期実現を期待する特集を組んだ。関係者が目指すのは、空港が終着駅ではない。さらに北進し、庄内・秋田・青森をも視野に入れる壮大なものだ。新幹線延伸なら事業者はJR東日本になる。現時点で同社はこの構想にどのようなスタンスでいるのか。
空港アクセスは長期に研究
新潟県空港課によれば、新潟空港アクセスを議論する組織は現在、「新潟空港アクセス改善(長期)研究会」のみだという。(長期)は本誌が補足したのではなく、正式名称だ。
わざわざ(長期)という言葉を盛り込んだことから、特に上越新幹線の新潟空港乗り入れを期待する関係者は、県のやる気に首を傾げている。
直近の会合は7月8日。新潟空港アクセス調査報告書について意見交換が議題だったが、非公開で議事録も公開されていないため、具体的な会議内容は分かっていない。同会は、定期的に開かれる会合ではなく、「随時開催」(県空港課)だという。
2号にわたって特集を組んだ本誌は、拠点化向上、経済活性、危機管理といった観点から早期実現を訴えた。
本誌だけが前のめりしているわけではない。新潟市議会はあまり盛り上がっていないが、新潟県議会では開会のたび、喧々囂々のやりとりがなされている。
例えば1月の総合交通・防災対策特別委員会。
▼小山芳元県議
「新幹線の空港乗り入れは、今日まで非常に大きな課題の一つになっている。今、これがどのような議論になっているのか」
▼樋口政史空港課長
「新幹線を含む軌道系の空港乗り入れの検討については現在、新幹線、在来線の活用など、いかに初期投資を安くするかを調査しているところ。また、複数案ある実行可能なプランのそれぞれメリット、デメリットを比較するようなところまで、年度末、あるいは次年度へまたぐかもしれないが、たたいていきたい」
▼佐藤浩雄県議
「新潟空港乗り入れの最終的な問題点は採算性の問題だった。(新潟駅から新潟空港まで)わずかな距離の中で、大量輸送機関である新幹線で採算を取れるということは、そもそも無理な話なのではないかと(いう過去の答弁だった)。一方で、首都圏直下型地震が高い確率で発生すると言われている意味で、新潟空港乗り入れの役割が大きく注目されている。リダンダンシー機能やゲートウエイ機能をきっちり発揮するには、新幹線が空港に入っていなければ、いざというときの対応ができない。もう少し前向きに検討する必要があると思う。
東京まで、我々がヨーロッパへ行った帰りや行くときに、新潟の上空を通る。非常に矛盾した感じがする。羽田空港や成田国際空港に降りてから、それから何時間もかけて戻ってくる。もし新潟空港へそれが着陸できれば、航空運賃だって安くなるし、新潟の拠点性も上がる」
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