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2024年11月21日

三幸製菓社長辞任劇を巡る”噂の真相”

2016年07月27日

大塚家具が経営方針を巡る対立から親子喧嘩に擬せられた解任劇として、マスコミを賑わしたのは記憶に新しい。非上場ながら米菓業界第2位の三幸製菓社長辞任劇は、米菓業界はもとより本県経済界に波紋を広げている。辞任劇を巡る様々な噂が飛び交う中、真相を追った。(敬称略)

 

踊り場に来ていた三幸製菓

 

p26

「一説には佐藤富一郎会長が長男の裕紀社長を放逐したと囁かれていますが、息子のほうから辞表を叩きつけたのが真相ですよ」と事情を知る業界関係者は断言する。

 

表を見ていただきたい。年商、156億円に過ぎなかった2000年の10年後には459億円と、業績を3倍に押し上げている。凄まじいばかりの急成長ではないか。この前後に、栗山米菓を引き離し、岩塚製菓を抜き、業界トップの亀田製菓に肉薄した。

だが、2012年の491億円をピークに業績は頭打ちとなり、この4年間は470億前後の微減状態に甘んじている。

 

 

 

「富一郎会長の性格からして、4年間の踊り場状態は我慢がならなかったと思いますよ。友達はいない、相談相手もいない、これといった趣味もない方です。ひたすら仕事に執念を燃やす孤高の虎ですからね」(前)

 

会長の執務とはどのようなものなのか。

 

「朝の7時半から2、3時間かけて工場を見て回るのが日課です。不備があると怒鳴りまくりますから、現場は戦々恐々です。

 

視察を終えるといったん帰宅して、4時から7時ころまで経営全般の執務をし、指示を飛ばします」(取引先)

 

富一郎会長の徹底した仕事ぶりは業界では広く知られている。仕事にかける情熱は凄まじく、傍目からは異常にさえ映る。情け容赦
のない合理主義者でもある。それは利益面に如実に表れている。売り上げは減らしたものの、2年前の2014年度は経常利益53
億円と業績ピーク時の45億を上回っているのだ。

 

「利は元にありを徹底する富一郎会長の執念の賜物です。無駄を省く徹底したコストダウンの励行は凄まじいの一語に尽きます。当然、現場に軋轢が生じ退職者が後を絶たない一因になってます。

 

徹底した仕事を遂行する会長に対し、常識派の息子は付いていけなかったのだと思います。最近では会長を避けることが多くなっておりましたし、『たまらないよ』とぼやいていたとか、会長は会長で『ふがいない』と口にしていたと仄聞してます」(事情通)

 

一匹の虎が猫100匹を率いる

 

ここで会社の歴史にふれておく。…続きは本誌に

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